Post-0200

聖騎士女「この件、私達も関わってしまった以上無視もできない。片付くまで付き合おう」
魔法使い「助かります」
騎士「しかし、襲ってくるのを返り討ちにする前提でいうのであれば、この宿屋を使うのも危険だな」
魔法使い「そうなんです。そこで、騎士さんと聖騎士女さんのお力をお借りしたいです」
聖騎士女「ふむ。騎士殿だけでなく私も必要という事は権力が必要なのだね?」
魔法使い「はい。まず不死の4人が安心して過ごせて、かつ周囲に大きな損害を与えない立地の場所に仮住居が必要です。それほど長い見込みではないですが、相手に持久戦をされると待ち受けている側の方が圧倒的に消耗します」
戦士「あ、それはわかる。攻撃する側より守る側の方が圧倒的に大変なんだよな」
騎士「なるほど、では立地については思い当たる場所がある。視界が広く高い場所が理想的だな?」
聖騎士女「つまり、湖の畔の風車塔だな。今管理する人もおらず、それほど古くもない。周囲は開けているし、塔をなぎ倒すような強烈な破術も残っていなさそうだ」
魔法使い「はい、助かります。ただ、あの風車塔は湖の貴婦人の持ち物なので、お借りするにしろ買うにしろコネクションが必要です」
騎士「運がいい。湖の貴婦人は黒騎士殿と懇意の方だ。昔黒騎士殿が貴婦人をお守りした事があったらしくてな。私も黒騎士殿と一緒に何度かお目通りを願った事がある。優しいお方だ、きっと力になって下さる」
魔法使い「本当に助かります。そして、基本的は反撃メインですが、こちらから追わない道理もありません。特に、破術を使う人は破術使いに襲われることは想定しているでしょうが、そうでない者に組織だって襲われる事を想定していないはずです」
禁術複製「そりゃそうだねぃ。情報を漏らさない前提だし、偶然雑魚に絡まれても一撃で終わりだねぃ」
禁術娘「そうだねェ。少なくとも、禁術使い以外に命の危険にあわされた事は無いねェ」
魔法使い「ある意味で当然ですよね。誰だって不死になりたい。術者以外にそれを漏らしたら最初に自分が狙われますから」
盗賊「つまり、俺の出番という事でいいか?」
魔法使い「でも、無理はしないで下さい。僕が<転移>の巻物を2つ作ります。魔法コストの問題でそれ以上作れないですけど、1個あれば盗賊さんなら十分逃げられますよね。<転移>先で待ち伏せの可能性があるので2個作りますが、先に転移先を2つ別々に選んでおいて下さい」
盗賊「そんなお宝があるなら普通の仕事より楽だな」
盗賊娘「じゃあ、私も……」
戦士「すまねえ、目のいい奴が一人必要だから、こっちのフォローしてくんねえか?塔に登っても目が節穴だと何も見つけられねえ」
聖騎士女「そうだな、盗賊娘は特に目が良いからな」
戦士「悪いけど頼まれてくれるか?」
盗賊娘「みんながそう言うなら……」
剣士「私達が下で即応できるよう準備するとして、やはり目のいい者は必要だからな」
術士「むしろ一番キツい仕事だから、頼まれてくれるか?」
盗賊娘「うん。喜んで」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#破術争奪戦編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポスト

Post-0192

すみません、1ヶ月がっつりお休みしました。再開します。
お忘れの方、振り返りたい方はまずこちら。

https://t.co/4qDFo5YkPa

—

禁術複製「じゃあ、細剣の人に対処を頼むねぃ。でも反応遅いようなら容赦なく処すねぃ」
剣士「はは、そうならないよう努力するよ」
禁術娘「アタシらが死なないからって、痛くないわけでもないからね。死ぬほど痛い目にあうくらいなら、先に殺すよ、ねェ」
破術使い「……くそっ」
禁術複製「馬鹿の人はもう脱落なんだから諦めるべきだねぃ。種は割れてるんだから次は逃がさないねぃ」
術士「<伸縮>ねぇ……。それ、縦だけじゃなく横にも伸びるんだろ」
禁術娘「だろうねェ」
術士「じゃあ、四肢の付け根だけを伸ばすと、面白い事になるな」
破術使い「……ちッ」
禁術複製「なんでこんな地方にまほクンなり術士の人みたいなのが集まってるんだろうねぃ?」
術士「はっは。うちのボスの聖騎士女は俺らの比じゃないぞ」
禁術複製「ぶるる。初手で敵対しないで正解だったねぃ」
禁術娘「誰相手だって初手で敵対するのは馬鹿のすることだよ、ねェ」
盗賊娘「駄目、そこからは逃げられないよ」
剣士「おっと、男の逃げ場を固定して視線を固定させていたのだが、気づいたかね」
盗賊娘「剣士さんが、相手に分かるように導線を残したから……。剣士さんがその気になったら私にも逃げ場なんて見つけられないです」
剣士「やはり君は目がいい。目がいい者は全ての上達が早い」
術士「パパするのは後にしないか」
剣士「はは。じゃあ酒場に戻ろうか。もう死なないわけではないのだろう。なら逃げるな。一瞬で全てを奪えるぞ」
禁術娘「なんていう奴らだい……」
盗賊娘「ふふ、みんな、信用できるんですよ」
禁術娘「アンタもだよ。どれだけ修羅場をくぐってきたんだい」
盗賊娘「……。それを見抜ける、あなたも、ね」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#破術争奪戦編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポスト

Post-0191

禁術娘「さて。この男、不死を奪ったとしても、破術自体は持っている、ねェ。詠唱破棄できるなら拘束もあまり意味がない、ねェ」
禁術複製「じゃあ、魔法使いの人が来る前に処しちゃうかねぃ?」
術士「駄目だな、俺たちがもういる」
剣士「つまり、詠唱破棄すらさせなければいいのだろう?私に任せてくれ。身体か魔力かが動いた瞬間に意識を刈り取る」
禁術娘「刈り取る……?何者……?」
術士「あー、俺が知る中で世界で一番技術の高い剣士だよ。総合力で並ぶ者はいるが技術で並ぶ者は見た事がないな」
盗賊娘「うん、剣士さんが任せろ、というなら、それはもう大丈夫だよ。私でも1秒で意識を落とさせる事ができるから、剣士さんなら本当に一瞬だよ」
剣士「あまり褒めてくれるな。慢心してしまう」
術士「そういう堅苦しい奴だから油断もしねえしな」
盗賊娘「……うふふ」
禁術娘「……なんか毒を抜かれちまった、ねェ。アンタらみんなこんな感じなのかい?」
術士「みんな気負う必要がないくらいには鍛錬してるしな。が、それはあんたらも一緒だ。死なないのに何をそんなにカリカリしてるんだ?」
禁術複製「本当に死なないならねぃ。殺す方法が確立してる不死なんて不死じゃないねぃ」
禁術娘「……そうなんだよね。アタシらは人と違って寿命で死なない。争奪戦に敗れ、拷問され、術式を吐かされて死ぬ、しか死に方が選べないんだよ、ねェ」
盗賊娘「……そうなんだ。きっと、戦士さんなら『望まない運命を押しつけてくる奴なんてぶん殴られて当然だ』って言うよ」
禁術娘「あの馬鹿っぽいのが?」
剣士「ははは!彼は真っ直ぐだが、だからこそ最短距離で答えにたどり着く。実際、君もその運命についてそう思っているのでは?」
禁術娘「……そうかも、ね」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#破術争奪戦編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポスト

Post-0190

破術使い「く、くそっ、破術使いが複数いるなんて聞いてない……!」
禁術娘「もともとアタシしかいなかったんだけど、ねェ」
禁術複製「複数いるとめちゃくちゃ強いんだよねぃ」
破術使い「こ、殺すのか……?」
禁術娘「そりゃあ、話すまでもなく破術は受け継がれたし、ねェ」
禁術複製「生かしておくと、俺っちを殺せばまた不死に戻れるって思うでしょ?残念。俺っちの<伸縮>の術式を妹ちゃんに<複製>」
禁術娘「!?……次に許可無しでやったら死んだ方がましだってくらい永遠に地面に叩きつけるよ」
禁術複製「それを複製して相打ちにしてもいいけどねぃ。許可を貰えば許してくれるならちゃんと許可を取るねぃ」
禁術娘「……少しは話がわかるんじゃないか……」
禁術複製「本人は効率的なら何してもいいと思ってたようだけど、俺っちはそれが嫌だったからねぃ」
禁術娘「……アタシも、嫌だったよ……」
禁術複製「じゃ、似たような事をしちゃってごめんねぃ。早く拡散しないと標的が俺っちに絞られちゃうから……って逃げるな。手足一本なら死なないねぃ」
破術使い「ぎゃっ!……手が、手が……!?」
禁術娘「手のひらをナイフで地面に縫い付けただけなんだからギャアギャアいうなよ、ねェ」
術士「お、やってるやってる。殺さない程度にな」
剣士「穏やかじゃないですね」
盗賊娘「相手の人、目が死んでない。ワンチャン狙ってるよ……」
禁術複製「うわ、この地域こういう人達ゴロゴロしてる感じ……?」
術士「いや、お前もコイツもみんなあたりが悪い。多分上澄みが集まってるぞ、このあたり」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#破術争奪戦編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポスト

Post-0184

術士「じゃあ剣士と盗賊娘を呼んでくるよ。あの二人は魔法の知識はないが頭が切れる。絶対に役に立つ」
聖騎士女「頼めるか。敵が外を見張っている可能性が高い、魔法のエキスパートが動いてくれるのは助かる」
偽聖騎士「なるほど、彼が君のパーティの一員か。頼れそうだ」
術士「聖騎士女やまほクンみたいに天才じゃねえけどな。じゃあ行ってくる」
術士「出た瞬間かよ……<魔力遮断>!棘がデカくなる前に魔力を防げばおもちゃができるだけだな」
盗賊「ヒュー、やるねぇ。目はアレだな。ほらよ」
術士「盗賊、投げナイフは聖騎士女と同じくらい上手いな」
盗賊「あの天才に並ばせて貰えるなんて光栄だね」
術士「はっは。じゃあ適当にあしらいながら行くが、まほクン、分かるな?」
魔法使い「まほクンはやめて下さい……。分かりますよ。次は酒場の中に巨大な棘を生成しますよね」
術士「多分、な。方法は見せたぞ」
魔法使い「わかりました。お気を付けて」
術士「はっは。まあこういう時は一人の方がやりやすいからな」
魔法使い「方向は分かっているので、先に打ちましょう。<魔力遮断>!」

禁術娘「手慣れてるねェ……」
禁術複製「俺っちと考え方が一緒だねぃ。これは正面からやると危ないねぃ。本人が油断してなくてもひっくり返るねぃ」
魔法使い「慣れてなんかいないですよ。こんなの慣れない方がいい」
禁術複製「そりゃそうだねぃ」
魔術師「あ、あなたたち何者なんですか……?」
盗賊「それをまとめて話すために人を呼んでるんだ。ちょっと待ってくれ」
聖騎士女「大丈夫、今ここは恐らくこの地方で最も安全な場所だ」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#破術争奪戦編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0183

男「助かりました。本当にありがとうございます」
偽聖騎士「良かった。しかし屋外は危ない。一旦酒場に入ろう。迷惑でないといいが」
聖騎士女「この酒場はおそらくこの街の中でも一、二を争うほどに安全だと、私は思う」
偽聖騎士「君がそう言うなら安心だ。お邪魔するよ。さあ君もこっちへ」
男「ありがとうございます」
禁術娘「見てたよ。お仲間、だねェ」
禁術複製「安全というかむしろ蛇の穴かもねぃ」
男「ひっ」
戦士「大丈夫だ、口だけだよ。今のところな」
盗賊「全然大丈夫じゃねえな」
騎士「互いに必殺の術を持つ者が先手を取らない時点で戦う気はないと判断できるな」
術士「大丈夫、魔法だって分かってるなら手の打ちようはいくらでもある。さ、入んな」

男「ありがとうございます。私は王都からこちらに派遣されてきた魔術師です」
聖騎士女「何があったのかを分かる範囲で教えて貰えるだろうか」
魔術師「はい。私や師を含む一門は秘伝の術を使って主に大がかりな治水を行っていました」
禁術娘「……秘伝の術、ねェ……」
魔術師「私達に伝わる術は一点と一点を結びつける術です。単純に言うと、水の湧かない場所と水源を結びつけて水を通す事ができるのです」
盗賊「すげえ術だな」
魔法使い「空間を結ぶには維持コストが必要ですよね。どうやって魔力を供給しているんですか?」
魔術師「私達の術には維持コストが不要なのです」
魔法使い「まさか、ちょっと考えづらいですよね……」
魔術師「私はその最中、この地方の上水と下水のためにこちらに出向してきたのですが、王都では私の一門が次々に殺害されたという知らせがあったのです」
禁術複製「まあ、そうだろうねぃ」
魔術師「そして先日、私以外全員死んだという話を聞いて危険を感じ、身を潜めていたのですが、突然襲われたのです」
禁術娘「良く一撃でやられなかったねェ」
魔術師「実際最初で死ななかったのは偶然です。私が落とし物を拾おうとしてかがんだ瞬間、私の上半身があったところに棘の塊ができました」
禁術娘「悪運があったねェ」
魔術師「そこで位置指定の術だとわかったので、フェイントをかけながら逃げました。しかしどこに逃げても術が追いかけてきて……」
聖騎士女「そこで我々が出会ったわけだな」
魔術師「そうです。あの術でなぜ死ななかったかは私にもわかりません……」
禁術娘「アハハ、ようこそ破術争奪戦へ。アンタの運命は奪って生き残るか、奪われて死ぬか、みんなで降りるかだよ、ねェ」
禁術複製「あれ?みんなって俺っちを入れてくれてる?」
禁術娘「いや、アンタは降りるなら勝手におりな」
魔術師「破術……?」
禁術複製「一門が持っていた術は四門四術の移送門<接続>。悪く使えば心臓を外につなげて血を出したり、体内に深海をつないで爆散できるねぃ」
魔術師「言ってる意味が……?」
禁術娘「お仲間だからね、聞かせてあげるよ。ついでに聞きたい人はいるかい?」
術士「すまん、聖騎士女が関わった以上、ウチから剣士と盗賊娘を呼んでくる。待っててくれるか?」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#破術争奪戦編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0155

剣士「……」
聖騎士女「蜂蜜酒が気に入らない味だったか?……すまん、茶化すのは無理だな。どうしたのだ?」
術士「なんとなく分かるな。今は盗賊娘がいない。話せよ」
剣士「すみません。少し、もしかして私は底が浅いのではないか、と思いまして」
聖騎士女「私はそう思わないが、なぜそう思う?」
術士「むしろお前は誰より考えが深いだろ?」
剣士「いえ。おそらく私は経験が足りない。生まれてから真っ直ぐに神に向かい、なんら躓く事なく来てしまった」
術士「今が躓いていないとでも?」
剣士「躓いていない。自分が信じる正しい道を歩いている。だから、私には失敗の痛みや、傷の痛みを本当の意味で理解できないのではないだろうか?」
聖騎士女「なるほど。失敗や傷がない事が剣士の傷なのだな」
剣士「ない事が傷……?」
術士「盗賊娘の身の上を知って、傷のない自分に彼女を助けられるのかを疑っているのではないか?」
剣士「はい、おそらくそれが最も大きい」
聖騎士女「それだけ彼女が大事なのだろう。そして見ている限り、私には大事にできてように見える」
術士「あとな。転んでないから見えるものってあるんじゃないか?お前はそれを見せればいい」
剣士「そんなものあるのだろうか……?」
術士「お前が転んでないから見えない、と言っている何かがあるように、転んだら見えないものってあるんじゃないか?」
聖騎士女「それに、剣士が何を言っても、私達が見ている剣士は誠実で優しい。盗賊娘には心配してくれる優しい大人がまだ必要だと、私は思う」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0154

聖騎士女「盗賊娘がいないと、なんというか、風穴が開いたような気持ちになるな」
剣士「そうですね。ただ、まあ、蛮族娘さんと一緒にいるときは本当に子供のように笑う。だから、いいのではないですか?」
術士「お前神殿に仕えてなかったらいいパパになったろうにな」
剣士「はは、あんなに素直な子がいてくれるなら、きっと世の中の親というのは幸せなのだろうな」
術士「そうかね。幸せに生きて神にたどり着く奴もいるし、地獄の中で神にすがるものもいる。思い込みが一番危ないんじゃねえかな」
剣士「す、すまん。あまりにも雑な物言いだった」
術士「いいよ。少なくとも俺は今毎日が楽しい」
聖騎士女「ん……?向こうで騒ぎが起きてる。急ごう」

偽聖騎士「借金のカタに子供を連れて行くなんて、人が許しても神が許さん!抜け!」
悪徳商人「聖騎士の鎧……。しかし加護を撃つ前に畳みかければ!行け手下ども」
手下「うぉー!」
偽聖騎士「オレには加護はない!天誅ではなく人誅だ!」
剣士「凄い技術だ。私とも戦士君とも騎士殿とも違う。膂力を完全に流れで活かしている」
術士「が多勢に無勢だな。偽物みたいだが助けるか?」
聖騎士女「格好ではなく行いで判断すべきだ。が、私一人で十分だ。そこの人、合わせる」
偽聖騎士「ありがたい!オレは左から右へ、キミは逆を頼む。キミは女性だが守る方が失礼だ」
聖騎士女「そのように言ってくれるのは嬉しいな。10手詰みだ。まず1手」
偽聖騎士「お上手。では2手3手」
悪徳商人「聖騎士が2人……。あまりにも強い。お前らはそこで時間を稼げ!」
剣士「ようこそこちらへ。怪我をしない程度に、お相手しましょうか」
術士「こいつはちょっとスネてるんでな。運がなかったな」

偽聖騎士「ふぅ、誰も怪我せず鎮圧できた。協力してくれてありがとう」
聖騎士女「礼には及ばない。失礼だが、その鎧は聖騎士にのみ与えられるもの。あなたも同じく聖騎士という認識で良いか?」
偽聖騎士「いや、オレは加護を与えられていない。だから聖騎士ではない。が、この鎧は死んだ聖騎士から譲られたもの、正式にオレのものだ」
聖騎士女「そうか、失礼した」
偽聖騎士「……怒らないのか?神に認められて初めて身につけられる鎧を、聖騎士でないオレが身につけていて。キミも血のにじむ努力の上で聖騎士になったのだろう?」
聖騎士女「努力したのは私が望んでの事だ。それで誰かを責める権利がある訳でもない。鎧が奪ったものではなく譲られたものであれば責める道理がない」
偽聖騎士「ありがとう。キミのような聖騎士を見たのは初めてだ」
聖騎士女「まあ私も変わり者だからな。それよりも今の詳しい話を聞かせて貰えるだろうか」

偽聖騎士「と言う訳で、あの悪徳商人が無理矢理金を貸しては剥がして子供を連れ去っていた。それを誰もとがめる事ができなかった」
聖騎士女「責めるな。強くない事を怒るのは強者の驕りだ」
偽聖騎士「もちろんだ。だからこその放浪者だ。オレにしかできない事を、今日オレはした」
聖騎士女「立派だ。神ならぬ私にはわからないが、あなたは必要な物を備えていると思う」
偽聖騎士「はは、本物に認めて貰うのはくすぐったいな。だが、オレもいつか加護を得て人を救う本物になるために修行を続けていくよ」
聖騎士女「そうなる事を願っている。もし何かあれば、私達の酒場を訪ねてくれ」
偽聖騎士「ああ、助かるよ。いい女だな」
聖騎士女「真顔でそう言ってくれる人間は初めてかもしれないな」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0146

聖騎士女「邪魔をする」
戦士「おう、珍しいな。全員で来てるのか」
剣士「盗賊娘君の武器を新しくしようと思ってね。もう少し重い短剣にすれば弾きが効率的にできる」
盗賊娘「あのね、戦士。わたしトレーニングしてちょっと力が強くなったんだ」
戦士「すげえな!」
蛮族娘「盗賊娘、力、強くなる。強い、梟、強い」
盗賊娘「それで、二人に、ちょっと弾きのコツ教えて欲しいんだ」
剣士「私は細剣使いだからね、武器万能の戦士君に聞いた方がいいと思う」
術士(盗賊にウィンク)
盗賊「はは、確かに。俺も弾きじゃなくカウンターが主体だから戦士に聞くのがあってるな」
騎士「是非ゆっくりしていってくれ」
聖騎士女「で、魔法使いは何を読んでいるんだ?」
魔法使い「わわ、すみません、気づきませんでした」
聖騎士女「はは、集中力があるのは素晴らしいことだ」
魔法使い「古代の禁忌魔法について調べていました。この前禁術使いと事を構えたので」
聖騎士女「危険な知識だ……。しかし君ほどの人物なら大丈夫だろう」
魔法使い「この『伝染する呪い』という禁術奥義の一つ。触れたものに呪いが伝播して広がっていくと言います。あまりにも危険です」
聖騎士女「ああ……危険だったな」
魔法使い「だった……?」
聖騎士女「そうか、気づいていなかったか。黄金郷だ」
魔法使い「え……?あっ!そうか、全てが黄金になる呪い。それを封じていたのが辺境、守っていたのは古代魔法の末裔……!」
聖騎士女「そうだ。私も言葉を覚えて気づいた。蛮族娘こそ、古代魔法使いの末裔だ」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0139

勇士「異邦の皆、協力に感謝する。『黄金郷』が消え、我らはついに呪いに打ち勝った」
聖騎士女「全てはあなた方が封印を守り続けてきたからだ」
勇士「重ねて感謝する。そして、我が妹蛮族娘を再度勇者にしてくれた事にも感謝する」
蛮族娘「かーうぉーうー!」
勇士「戦士には申し訳ないが、妹は勇者になった。勇者は群れの意向ではなく、自ら番いを選べる」
蛮族娘「オレ、勇者!勇者、自分で、番い、選べる!」
蛮族娘「オレの、番い……」
騎士「ごくり」
盗賊「ごくり」
僧侶(にこにこ)
魔法使い(手で目を覆う)
猟犬女「……」
聖騎士女「あわわ」
盗賊娘(どきどき)
剣士「ごくり」
術士(にやにや)
戦士「……?」
蛮族娘「もっと、後で、決める!」
全員(ほッ)
盗賊娘「あ、あのね、蛮族娘ちゃん。わたし、卑怯な手はつかわないよ」
蛮族娘「卑怯、しない、偉い。オレも、卑怯、しない!」
盗賊娘&蛮族娘(笑顔を交わす)
術士「聖騎士女が『あわわ』って言う所なんてもう一生見られないな」
聖騎士女「あまりからかうな」
僧侶「私、もしかして生きてて良かったかもしれません……」
盗賊「もしかしなくても生きてるだけですでに良いことなんだよ」

??「事はどうなったのだね?」
ナンバー1「ご報告通り、第三王子は辺境で邪神に出会い取り込まれました。それだけです」
??「王宮に邪神崇拝がはびこっているという噂は?」
ナンバー1「痛みを我慢できない貴族を徹底的に洗って影響範囲は綺麗になっています」
??「つまり?」
ナンバー1「用意したスケープゴートは不要でした。別に使う可能性もあります。温存しましょう」
??「王子を殺したシスターの首を取る、という話は」
ナンバー1「使われなかった以上最初から存在しなかった、という事ですね」
??「まあ自滅してくれて助かった。王子レベルが相手だとどうしても対価に差し出す首が必要になる」
ナンバー1「それを恐れて邪神を放置すれば1人の被害ではすまない。神は人を区別しません。犠牲になる人間が何者であるかも」
??「君を敵に回したくないね」
ナンバー1「神に見放されなければ大丈夫です」

猟犬女「ほら、追いかけっこしなくてすんだんだ、喜んで一杯奢られな」
聖剣部隊「すみません」
猟犬女「ただ、次にあたしを呼んだらおしまいだと思えよ。二度とあたしを地獄に引き戻すな。蓋が開いちまう」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。