Post-0104

盗賊「そろそろ虫が多い範囲になるな。タバコを水に浸して、その水を身体に塗れ」
魔法使い「虫除けじゃなくタバコなんですね」
盗賊「虫除けの草は収穫してすぐ使わないと効果を失うからな。タバコの方が保存が効く」
僧侶「タバコですか……」

ナンバー2「あん?なんだ、女がタバコ吸っちゃいけないのか?」
聖堂騎士「いえ、そうではなく、匂いで気づかれるのでは……?」
ナンバー2「気づかれて構わない。気づかれる位置にいる時点でもう勝ってる。首を落としちまえば仲間も呼べない」
聖堂騎士「あまりにも苛烈ですね」
ナンバー2「処刑部隊を送られてる時点で神に見放された人でなしさ。あたしら狗に喰われるのがふさわしい」
聖堂騎士「なんとむごい言い方を」
ナンバー2「おい、お前も処刑部隊だ。神に魂を捧げたなら黙って狗になれ」
聖堂騎士「は、はい……」
ナンバー2「っはぁー(紫煙をくゆらす)。なんでもいいからよ、踏みとどまるためにすがるものを見つけな」
聖堂騎士「それは、私にとって神です」
ナンバー2「そうかい。悪いことは言わない、他になにか1個見つけな。女でも酒でもいい」
聖堂騎士「なんという罰当たりな」
ナンバー2「ははッ、そこであたしを誘わない小心者だからナンバーがつかない」
聖堂騎士「声をかけたら殴り飛ばされるでしょう?」
ナンバー2「そりゃそうだ」

#ちょっとズレてるお人好しども


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Post-0103

聖騎士女「やはり、天啓を果たした聖騎士は漏れなく命か<加護>を失っている。文献で例外が見つけられない」
聖騎士女「とすると、この<衝撃>、別に求められる何かがあるのだろうか……?」
(図書館の棚から一冊の本が落ちてくる)
聖騎士女「おっと、本が傷む(キャッチする)。ふむ、『還らずの都市』。何かの伝承か」
聖騎士女「古代魔法王国時代の伝承か。これも何かの導きかも知れないな」

盗賊娘「戦士達、辺境で巡回の仕事をうけて行ってしまったんです」
聖騎士女「あのあたりは紳士協定で危険は少ない、安心しろ。まああやつらに危険を運べる者もそうそういないと思うが」
剣士「我々も何か仕事を探しましょうか。蓄えは十分ありますが減らさないに越した事はない」
術士「いや、なにかあるんだよな、聖騎士女」
聖騎士女「はは、鋭いな術士。たまには冒険者らしく荒野の冒険もでも行かないか?まあ荒野ではなく密林だが」
盗賊娘「密林、ですか……?」
聖騎士女「もしかしたら戦士達にも会えるかも知れないな」
剣士「密林、ですね。虫除けにタバコを用意しましょう。タバコを水に浸すと虫除けになる」
術士「突然前向き……、いや、なんでもない。すぐ準備しよう」
聖騎士女(あの笑顔を見てはな……)
剣士(ウィンク)
術士(ため息)

#ちょっとズレてるお人好しども


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Post-0100

騎士「おお、お互いの意思が疎通できる魔法か。便利だな」
魔法使い「ええ。ただ、ちょっとコストが高いので連発すると厳しいです。あと……」
戦士「あと?」
魔法使い「うわ、どこを見ていいんだろう。ジロジロ見たら失礼だし」
魔法使い「こんな感じで思ってる事がお互い全部筒抜けです」(赤面しながら)
蛮族娘「弱き者は何を言ってるんだ?部族の正装だぞ?」
僧侶「と、とにかく効果が切れる前に全部聞きましょう」

戦士「なるほど。境界を越えたよそ者を、勇士はそれでももてなした。のに、遺跡から帰ってきたよそ者は礼をすると言って勇士達を呼び、しびれ薬を飲ませて捕まえて連れ去ってしまったのか」
蛮族娘「そうだ。オレは必死で追ったが、鉄の塊に勝てなかった。奴らは誇り高き戦士のオレをあざ笑って立ち去った」
騎士「許せんな。もてなしてくれた者を罠にはめるとは」
蛮族娘「お前も鉄の塊だ。お前も卑怯なのか?」
騎士「そんな事はない。鎧は着る者によって輝くのだ」
戦士「勇士がピンチなら助けに行くしかねえな。案内を頼めるか?」
蛮族娘「当然だ」
戦士「じゃあちょっくら行ってくらぁ」
僧侶「流石に一人では行かせられませんね」
盗賊「こっちから領域に手を出してる。これは雇い主に言って新しい仕事にして貰おう」
魔法使い「流石盗賊さん、頭が良いですね」
盗賊「幸いこちらには言葉が少し通じる蛮族娘と、<対話>の使える魔法使いがいる。俺らが適任だよ」
魔法使い「そろそろ<対話>が切れますね」
蛮族娘「盗賊、頭、強い。オレ、お前、認める。お前、短刀、似てる」
盗賊「はは、ありがとうよ」

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Post-0102

盗賊「森が深いな……。木の根に足を取られるな。転ぶと痛いでは済まないぞ」
僧侶「盗賊さんは野伏みたいに野外も得意ですね」
盗賊「はは、色々あって、な。しかし先が見えない」
騎士「む。先刻から、小さく歌のような何かが……」
魔法使い「歌……あ……めまいが……」
蛮族娘「せらっぱ!かみーれ、うぇけな、りーば!」(突然耳を塞ぐ)
魔法使い「この眠さ、魔法です……!なら、<魔力除外壁>!これで……!違う、魔力じゃない、歌だ……」(倒れる)
盗賊「魔法使いよくやった!みんな耳を塞げ!」

(槍を持った仮面の戦士達が襲いかかってくる)

戦士「塞いでる暇ねーだろ!なんだこの馬鹿力!?その体格で出せる力じゃねーだろ!」
騎士「分かっていると思うが殺すなよ。おそらく蛮族娘の関係者だ」

蛮族娘「あが、らいらまーな、でぃあっが!」
??「だいあ、ぐのーら、でぃしあ!」
蛮族娘「やーが、かみーれ!戦士、勇士、あぶらーば!」

(戦士達が槍を引く)
(フェイスペイントの女が木の陰から出てくる)

??「わかった、すまない、勇者たち」
蛮族娘「大丈夫、呪術女、敵、違う」
呪術女「すまない、勇者達。我、呪術女。今、勇者、いない。我、集落、まもる、している」
騎士「なるほど、集落の長を代行しているのだな。私は騎士。よろしくお願いする」
呪術女「鉄の塊、我、強い、嫌。でも、鉄の塊、勇者、あれば、我、辛い、しない」
僧侶「魔法使いさん、<覚醒>です。大丈夫ですか?」
魔法使い「あ、おはようございます。さっきのあれ、多分魔法じゃなく、近いけど違う技術です。面白い……です!」
盗賊「少し空気読もうか」

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Post-0099

騎士「彼女の状況を詳しく知りたいが、こうも片言だと……」
盗賊「ゆっくり聞くしかないな」
蛮族娘「誉れなき、行い!オレ、勇士、助ける、なかった!誉れなき、もの、ども!」
魔法使い「駄目です。多分急ぎです。<対話>!」
蛮族娘「よくもオレの兄を!油断させて手を出すとは、恥を知れ!」
蛮族娘「寄るな弱き者!オレに邪術をかけるなら舌を噛む!」
魔法使い「うん。大丈夫だよ。君の勇気はわかるよ。くやしいね。話を聞かせて」
蛮族娘「……!?話が、わかる……!?」
魔法使い「邪術はね、人と仲良くするためにあるんだよ」
戦士「名前を教えてくれるか、勇士の妹」
蛮族娘「勇士を知っているのか!?お前、戦士か!オレの許嫁の!」
戦士「勇士は知ってるが許嫁は知らねえ」
騎士「まあ嘘をつけるほどの頭はないからな」


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Post-0098

盗賊「辺境との境の警備、ねえ。紳士協定でお互い手を出さないんだろ」
騎士「紳士協定があるからこそ、だな。お互い見張り合っている建前が必要だ」
戦士「一日歩いてそれなりの金、酒も飲めるしいいんじゃねーの?」
魔法使い「あ、あそこに誰かが!」
僧侶「いけない、怪我をしている……!」

魔法使い「ちょっとどこを見ていいかわかりませんね。僕には刺激が強い露出度です」
戦士「あまり近づくなよ、素手でも首を引きちぎれる筋肉をしてる」
蛮族娘「……?」
僧侶「気づきましたか?」
蛮族娘「卑怯!先に、手を出した!勇士、兄、誉れなき、行い!」
騎士「こちらの言葉が……誉れなき行い?」
蛮族娘「戦士、兄、勇士、約束、守る!戦士、兄、部族、助ける!オレ、勝てない、だった。悔しい、悔しい、悔しい!」
盗賊「お、おい、泣くな。戦士、知り合いか?」
戦士「知らねえ。でも勇士は知ってる。お前、勇士の妹か……?」
蛮族娘「戦士、オレ、いいなづけ、兄とオレ、助ける、約束!」
魔法使い「いいなづけ……?」
戦士「おい魔法使い、なんで冷たい目で見るんだ……?」


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Post-0095

戦士「狭い通路に射手が5人。殺意たけー。さすがに根性じゃ通して貰えないな」
騎士「クロスボウだと鎧も貫通するな」
盗賊「警告無しで撃ってきたぞ」
魔法使い「<不可視障壁>!」
僧侶「なぜコストの低い<障壁>ではないのですか?」
魔法使い「みなさん、もちろん突破ですよね?」
戦士「もちろん。何かいい方法あるのか?」
魔法使い「<魔法の手>はものを動かします。重さに関係なくなんでも。魔法で作ったものでも」
盗賊「……!お前、<棘の壁>出さないだけ優しいな」
魔法使い「じゃあいきますよー!」


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Post-0094

僧侶「今日はお布施を持って参りました」
シスター「感謝にたえません、ありがたく頂戴します」
子供達「僧侶のおじさん、今日は何で遊んでいくー?」
僧侶「はは、みんなのお話を聞かせて貰おうかな」
シスター「子供達、ちょっと大事なお話があるから、向こうの部屋に行ってドアを閉めてくれる?」
子供達「はーい」
シスター「いい子ね……おい、それ以上近づくと、祈りの先が変わるぞ」
僧侶「面目ない、どうやら私が狙われている様子。出て行きます」
シスター「はッ、お優しい僧侶さんがやられたら子供が泣くだろうよ」
僧侶「ありがとうございます。……すぐ片付けます」
シスター「予備のメイス貸しな。なまってて殺しちまったら意味ない」

子供達「もういいー?」
シスター「お待たせしました。僧侶さん急用で帰ってしまいました」
子供達「えー?」
シスター「今日は特別に生クリームをのせたお菓子を食べましょうか」


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Post-0093

魔法使い「ちょっと面白い事を発見したんです」
僧侶「面白い事、ですか?」
魔法使い「ええ。便利魔法の<振動>なんですけど、これを長く使うと振動しているものが熱くなるんです」
僧侶「面白いですね」
魔法使い「調べてみて、多分なんですけど、『熱い』っていうのって、多分『揺れ』と関係あるんですよね。これなにか新しい魔法にできないかな……?」

魔法使い「という事で新しい魔法ができました。<加熱>です。やっぱり振動させると熱くなるんです」
僧侶「これ、食べ物を温めるのにいいですね」
盗賊「人間につかったらグロい事になるからやめておけよ」

盗賊娘「っていう事があったんです」
聖騎士女「ふむ……。振動。衝撃。これは……」

聖騎士女「やはりな。弱い<衝撃>を長く照射すれば加熱できる」
術士「天才なのもほどほどにしとけよ」


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Post-0092

僧侶「こうやって二人でお話しするのも久しぶりですね」
シスター「聞きました……って、言っても本性は見抜かれてるね。聞いたよ、邪神を封印したんだろ?」
僧侶「ええ、私ではなく仲間の魔法使いさんが」
シスター「ついに、敵が取れたんだね」
僧侶「いえ、あの子の敵は私です。あの手応えは一生消えない」
シスター「あんたには辛い思いをさせちまった」
僧侶「いえ、あなたが言ってくれなければ、私は自分で選ばなければならなかった」
シスター「そんな綺麗なもんじゃないよ」
僧侶「だから、私は今日来たのです。あなたは間違っていなかった。だからご自身を責める必要はありません」
シスター「はッ、いっちょ前にあたしを許すと?違うね、あたしが罪深かったのは、あんたが手を下した瞬間、奴の加護が一瞬なくなったのを喜んだ事だよ。あの子と、あんたと、世界を天秤にかけちまった。猟犬として仕事を果たした瞬間、あたしは人間じゃなく狗だったのさ」
僧侶「そこまでご自身を責めなくても」
シスター「あんたもだよ。どうせあたしたちは自分を許せない。だから人を救うんだろ。次は全員救えよ」
僧侶「ありがとう……ございます」

シスター「お気をつけてお帰り下さいね」
僧侶「お世話になりました。また」
子供「シスター、今日のおやつはなに?」
シスター「ホットケーキに蜂蜜をかけましょうか」


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