盗賊「準備はこれでいいか……。本当は、辺境に詳しい野伏がいればいいんだが……」
騎士「そう都合良い者はいないな。探す時間も惜しい、蛮族娘に先導を頼もう」
蛮族娘「オレ、道、わかる。お前ら、来てくれる、伏せる、喜ぶ。強い、喜ぶ」
魔法使い「あれ……?もしかして、これ……?」
僧侶「魔法使いさん、何か気づいたんですか?」
魔法使い「多分、蛮族娘さんの言葉、古い魔法語に似てる気がします」
盗賊「ふーん。おい、戦士、蛮族娘より先に行くな。はやってるんだろ、少し何か話せ」
戦士「お、おう」
蛮族娘「兄、勇士、戦士、誓い、友。どうして、戦士、勇士、仲間?」
戦士「あー、勇士についてか。あいつと俺、家族らしいんだよな」
盗賊「らしい?」
戦士「俺も勇士もあんま言葉通じねえからさ」
盗賊「ふーん。何があった?」
戦士「いや、調査の護衛で勇士の部族の近くに行った時にな、三つ目熊に襲われてる奴がいたんだよ」
僧侶「三つ目熊は大人しいですが、あまりにも大きいので暴れると危険すぎますね」
戦士「うん、襲われた奴も傷だらけで、助けたんだが、とどめを刺す前に邪魔されてな」
蛮族娘「三つ目熊、我ら、祖霊。祖霊、傷つける、呪い、巻かれる」
戦士「そう、その祖霊とか。邪魔してきたのが勇士なんだけど、話を聞くとよ。祖霊とか言うのが狂って部族の人を襲っていると言うんだが、祖霊とか言うのは傷つけては駄目らしく、どうにもできないって言うんだよ」
魔法使い「祖霊……。僧侶さんから見ての神様ですよね。それは、確かに傷つけられません」
戦士「でもなんか、よそ者が部族に家族として受け入れられる時、加護を貰うために一匹だけ仕留めていいって言うんだよ」
騎士「なるほど、それで感謝されて」
戦士「まあそうなんだけどな。その前に『部族に迎える』にふさわしいかを試す、って言って勇士と決闘するハメになった。アイツめちゃくちゃ強かったよ。なんで手を抜かなかったんだろうな?」
蛮族娘「兄、戦い、弱い、しない。兄、家族、つくる、オレ、いいなづけ、弟」
戦士「……?まあ最終的には三つ目熊を仕留めたんだけどな。それからアイツとオレは家族だよ。『何かあったらお互い助け合うのが家族』って言って別れた。俺にも別の家族ができたんだよな」
魔法使い「……それって……。」
盗賊「はははははは!どうなっても知らねえぞ」
#ちょっとズレてるお人好しども
盗賊「準備はこれでいいか……。本当は、辺境に詳しい野伏がいればいいんだが……」
騎士「そう都合良い者はいないな。探す時間も惜しい、蛮族娘に先導を頼もう」
蛮族娘「オレ、道、わかる。お前ら、来てくれる、伏せる、喜ぶ。強い、喜ぶ」
魔法使い「あれ……?もしかして、これ……?」…— 大北天魔王:如月翔也⋈TRPGer (@showya_kiss) July 7, 2026
※収録に当たって多少手直ししているものがあります。