Post-0142

蛮族娘「〜♪」
盗賊「そろそろつくぞ、王国領だ」
蛮族娘「うーららー!」
魔法使い「……あッ!分かった!」
僧侶「なにか?」
魔法使い「なんでなまりで語尾が全部アになるのか!これ、叫ぶためです!勇者が叫ぶため、呪術を遠くに届けるために、語尾をアにして叫びやすくしているんだ……!」
盗賊「学者様かよ……って学者様だったな。しかもメンターの」
戦士「悪いんだけど何言ってんのかさっぱりわからねえ」
騎士「まあ戦士の価値は頭じゃなく根性だからな」
戦士「根性の国から来たみたいに言うなよ」
騎士「むしろお前が国を立ち上げたら根性の国だろう」
戦士「あー。悪かねえけど一代で終わりだな。誰も嫁に来ねえ」
僧侶「知力上げる奇跡でなんとかなれば良かったんですけどね」
盗賊(吹き出す)

魔法使い「ほら、城壁が見えてきた。ようこそ王国領へ、蛮族娘さん!」
戦士「幸いエールを飲むくらいの銀貨は残ってる、早速一休みしに行こうぜ!」
盗賊「愛しの我が家、だな」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども

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Post-0141

遡って数時間前
勇士「我々の悲願、消えぬ呪いを消す事ができた」
呪術女「我、伏せる、感謝する」(両手をついて深く頭を下げる)
騎士「頭を上げられよ。此度は我々王国民が領土を侵した。深くお詫びする」(深く頭を下げる)
勇士「頭を上げられよ。あなたのせいではない。そして個人の問題を大きく扱うつもりもない」
騎士「感謝する」
勇士「しかし、今まで長く封印を守ってきた我ら。使命を全うし、これからどうすべきか」
呪術師「もう辺境を閉じておく意味もない」
勇士「そうだな。これから我らがどう生きるべきか。それを知る必要がある」
呪術女「我ら、外、見る、必要」
勇士「うむ。辺境に限らず全てを見て、新しい我らの方針を考えるべきだ」
戦士「なんか嫌な予感するな」
魔法使い(必死で笑いを堪える)
勇士「うむ。誰かを王国に送り、情報を集めよう」
戦士「勇士……」
勇士「しかし、我らには王国に行った経験がない」
戦士「勇士……?」
勇士「王国に行った事のある、一人で判断のできる勇者が必要だ……」
戦士「勇士……!?」
蛮族娘「かーうぉーうー!オレ、勇者!王国、行った事、ある!」
勇士「それは助かる。まさに三つ目熊の加護だ」
騎士「もちろん丁寧にもてなします」
呪術女「蛮族娘、勇者。でも、飯、強い。嫁、強い。皆、蛮族娘、好き」
盗賊「じゃあ次の仕事は蛮族娘を王国までエスコートだな」
僧侶「素晴らしき出会いに感謝します」

蛮族娘「〜♪」
魔法使い「蛮族娘さん、早い!早い!足が取られてついていけません!」

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Post-0140

魔法使い「さぁ、儲からなかったどころか持ってきた金貨消えちゃいましたけど、帰りましょう!」
盗賊「散々だったな」
僧侶「そうですか?とてもいい出会いがありましたよ」
戦士「久々に勇士と会えて良かったぜ」
騎士「銀騎士殿も聖騎士女殿が連れて行った。一件落着だ」
蛮族娘「うーららー!」
魔法使い『あはは、ワクワクしてるんだね、蛮族娘さん』
蛮族娘『オレが往くは密林の向こう。勇者は常に真っ直ぐに進む』
盗賊「!?魔法使い、今<翻訳>使ってないよな……?」
魔法使い「あはは、ちょっとコツがありまして……」

術士「なんでブツブツ呟いているんだ、聖騎士女」
聖騎士女「ぶつぶつ……。ああ、術士。<翻訳>の残り時間が惜しくてな」
術士「惜しくて?」
聖騎士女「言いたい事を口にすれば<翻訳>が現地の言葉にしてくれる。つまり耳に聞こえるのは翻訳された言葉だ」
術士「当然だな」
聖騎士女「それを覚えれば、最終的には<翻訳>を使わなくても現地の言葉が覚えられる」
術士「天才なのもほどほどにしとけよ」

僧侶「コツ、とは?」
魔法使い「気づいたんです。現地の言葉、古代魔法語に似てるって言いましたよね」
僧侶「はい」
魔法使い「これ、なまりなんです。語尾が全部アになってるだけです。多少違いはあるんですが」
盗賊「普通気づかねえな。天才なのもたいがいにしとけよ」

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Post-0139

勇士「異邦の皆、協力に感謝する。『黄金郷』が消え、我らはついに呪いに打ち勝った」
聖騎士女「全てはあなた方が封印を守り続けてきたからだ」
勇士「重ねて感謝する。そして、我が妹蛮族娘を再度勇者にしてくれた事にも感謝する」
蛮族娘「かーうぉーうー!」
勇士「戦士には申し訳ないが、妹は勇者になった。勇者は群れの意向ではなく、自ら番いを選べる」
蛮族娘「オレ、勇者!勇者、自分で、番い、選べる!」
蛮族娘「オレの、番い……」
騎士「ごくり」
盗賊「ごくり」
僧侶(にこにこ)
魔法使い(手で目を覆う)
猟犬女「……」
聖騎士女「あわわ」
盗賊娘(どきどき)
剣士「ごくり」
術士(にやにや)
戦士「……?」
蛮族娘「もっと、後で、決める!」
全員(ほッ)
盗賊娘「あ、あのね、蛮族娘ちゃん。わたし、卑怯な手はつかわないよ」
蛮族娘「卑怯、しない、偉い。オレも、卑怯、しない!」
盗賊娘&蛮族娘(笑顔を交わす)
術士「聖騎士女が『あわわ』って言う所なんてもう一生見られないな」
聖騎士女「あまりからかうな」
僧侶「私、もしかして生きてて良かったかもしれません……」
盗賊「もしかしなくても生きてるだけですでに良いことなんだよ」

??「事はどうなったのだね?」
ナンバー1「ご報告通り、第三王子は辺境で邪神に出会い取り込まれました。それだけです」
??「王宮に邪神崇拝がはびこっているという噂は?」
ナンバー1「痛みを我慢できない貴族を徹底的に洗って影響範囲は綺麗になっています」
??「つまり?」
ナンバー1「用意したスケープゴートは不要でした。別に使う可能性もあります。温存しましょう」
??「王子を殺したシスターの首を取る、という話は」
ナンバー1「使われなかった以上最初から存在しなかった、という事ですね」
??「まあ自滅してくれて助かった。王子レベルが相手だとどうしても対価に差し出す首が必要になる」
ナンバー1「それを恐れて邪神を放置すれば1人の被害ではすまない。神は人を区別しません。犠牲になる人間が何者であるかも」
??「君を敵に回したくないね」
ナンバー1「神に見放されなければ大丈夫です」

猟犬女「ほら、追いかけっこしなくてすんだんだ、喜んで一杯奢られな」
聖剣部隊「すみません」
猟犬女「ただ、次にあたしを呼んだらおしまいだと思えよ。二度とあたしを地獄に引き戻すな。蓋が開いちまう」

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Post-0138

聖騎士女「すまない、皆集まってくれるか」

聖騎士女「『黄金郷』は呪いの土地。黄金に触れるものは全て黄金に取り込まれる」
聖騎士女「勇士や呪術師、呪術女や蛮族娘、君達はこの呪いを解き放たないように、辺境を閉ざした。そうだな」
勇士「応」

聖騎士女「猟犬女の率いる部隊は邪神を追って辺境に至った。王子の自滅を見届け、あとは邪神の再復活を懸念している。そうだな」
猟犬女「まあ、そうなるね」

聖騎士女「騎士達は、紳士協定を破ろうとするものを見極めて問題を解決するために辺境にいる。そうだな」
騎士「そうだ」

聖騎士女「なら、今全てを解決できる。この地の全ての黄金を消滅させる力が、私にはある」
術士「!?」
猟犬女「……おい、見逃せないぞ、その力は」
勇士「消滅……?」

聖騎士女「同じ素材のものは、同じ強さの<衝撃>で消滅させる事ができる」
盗賊「おい……」
聖騎士女「安心しろ、人体のような複雑なものにはできない。金属の塊のような、同じ響きに共鳴するものにしか使えない」
猟犬女「しかし、その気になれば範囲中の黄金を消せる。なら、銀も、鉄も。実質戦略兵器だ」
剣士「その言葉を、彼女には使わないでは貰えないだろうか?」
猟犬女「授かったモノがそれなら、評価も授かったモノだろうよ」
術士「その通りではあるが、仲良くはできなさそうだな」
猟犬女「はッ、人間を超えたモノが人間と仲良くできるわけがない」
聖騎士女「皆の同意が得られるのであれば、この地の悲しい黄金、呪われた黄金を天に返したい」
盗賊娘「それは、あの別の遺跡に眠る人達も……?」
聖騎士女「無論だ」
盗賊娘「なら、私は、賛成です。願ってもいないのに黄金にされて、永遠を押しつけられるなんて酷すぎる……」
戦士「あー、そうだよな。頼んでもいないのに押しつけて『それが運命だ』は殴られて当然だ」
騎士「私は同意する」
勇士「我らが悲願。異論はない」
猟犬女「それで中身ごと消えるなら願ったり叶ったりだ」
聖騎士女「わかった。やや時間がかかる。まかせて欲しい」

盗賊娘「なんて、優しい、波動……」
蛮族娘「母の、心臓の、音」
盗賊娘「そう、似てるんだ……。見て。さらさらと崩れていく……」

戦士「なあ勇士。言葉めちゃくちゃ話せるな?」
勇士「戦うにも最低限の頭が必要だ。お前はこちらの言葉を覚えたか?」
戦士「正直すまん」
勇士「いい。助けてくれた事には礼を言う」
戦士「しかし、こっちにも文句を言わせてくれ。お前妹に俺と結婚しろと言いつけたな?」
勇士「お前が受けた申し出だ。それに、妹もお前の話を聞いて憧れていた。勇者こそ勇者と結婚するにふさわしいと」
戦士「本物見たら幻滅だろうがよ。取り消しだ取り消し!」

盗賊「あー!」

騎士「どうした!?」
盗賊「おい、集めたお宝の『金』が消えていく!」
騎士「それは、今聖騎士女が消しているからな」
盗賊「知ってて黙ってたな!?」
騎士「はは」
盗賊「まったく、くたびれ儲けかよ」

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Post-0137

騎士「よし、どこかに捕まっている勇士達を探せ!情報を聞き出すためにまだ殺されていないはずだ!」
戦士「勇士を探さねえと。妹があんなに頑張ったんだ、絶対に喜ぶよな……!おまえもよくやったぜ、蛮族娘……!?」

蛮族娘「……?」
闘士「てめえがいなけりゃ、俺様は、負けずに、すんだんだよッ!てめえだけは死ね!」
蛮族娘「……!!」
魔法使い「あっ、飛び出しちゃった……。駄目だ、<鉄身>!」
闘士「くそ、手が痺れる……!」
蛮族娘「かうぉーうー!」
闘士「がッ!」
戦士「斧の横っ腹でぶっ叩きやがった!」

蛮族娘「弱き者!オレ、油断、した、なのに。弱き者、勇者、違う、なのに」
魔法使い「あはは、無事で良かった。頭がガンガンします。鉄頭でも揺らされるなんてね」
蛮族娘「鉄、われら、恐い、なのに。勇者、弱き者、守る、なのに。」
魔法使い「凄いですよ蛮族娘さん、銀騎士だけじゃなく大男まで倒しちゃうなんて」
蛮族娘「オレ、弱き者、守る、つもり、なのに。お前、勇者、違う、なのに」
魔法使い「蛮族娘さんと一緒に戦えて、僕、光栄です」
蛮族娘「お前、勇者、違う、でも、もっともっと、強い。お前も、また、強い」
魔法使い「慰めてくれてありがとうございます。僕も頑張ります」

聖騎士女「ふむ。僧侶が投げた聖印も黄金になっている。触れたものを全て黄金に変える呪い、か」
術士「今進行が止まっているのは水が入れ替わっているからか。なら浮上しっぱなしだといずれ世界中が黄金になる」
剣士「それは、水が入れ替わることで黄金になる前に離れている、という事か?」
盗賊娘「じゃあ、浮上してしまった今、何かが積み重なって地面に触れれば」
聖騎士女「そう。それを『させない』ために、蛮族娘の部族は秘密を守ってきた」
術士「そしてそれが暴かれ、浮上してしまった。どうするんだこれ……?」

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Post-0136

聖剣部隊「……!」
猟犬女「狗ども動くな!あたしらはあくまで対人間部隊、神相手には太刀打ちできない」
聖剣部隊「……しかし」
猟犬女「牙はしまうな、しかし今噛みついても消されるだけだ。下手したら相手が強くなる」

聖騎士女「む……。<衝撃>で神は倒せるものか?下手に撃つと刺激する危険が」
剣士「近寄ると吸収される恐れ……やっかいですね」
術士「……。どうした、盗賊娘?僧侶を見ているのか?
盗賊娘「……金属。」
雌蜘蛛「雄蜘蛛ノ封印ヲ差シ出セ」
僧侶「……。すみません、みなさん。これは渡せない」
僧侶「……みなさんの命を勝手に使って申し訳ない。私がこれを持ってこなければ……」
(黄金郷の中に向けて聖印を大きく投げる)
雌蜘蛛「雄蜘蛛……!?」

盗賊娘「盗賊さん、フック!」
盗賊「もちろんだ、こっちも投げ返す!」
(盗賊娘と盗賊がお互い持っているフック付きロープを投げ合う)
盗賊「相手は浮ける!思いっきり『ぶつける』ぞ!触られるなよ!」
(盗賊と盗賊娘が間にロープを張りながら雌蜘蛛の横を駆け抜ける)
雌蜘蛛「……!愚カナ!」(手を伸ばそうとする)

魔法使い「なるほど!なら<加速>!お二人に」
戦士「あー、ロープ引っかけて投げ飛ばすのか。すげえ勢いで飛んでったな」
雌蜘蛛「……!シカシ、呪イハ遅イ!」
僧侶「<解呪:逆術>!呪いを解く奇跡は呪いを進められます」
雌蜘蛛「災イアレ!呪イアレ!貴様ラノ道行キニ死ト傷アラン事ヲ!アア、雄蜘蛛、会イタカッタ……」
術士「完全に、金の彫像になったな。悪趣味だが」

猟犬女「……さて。標的は消えて、邪神も消えた。これは任務失敗かね?」
聖剣部隊「……しかも、著名な聖騎士女さんに見られていますね」
猟犬女「名高き聖騎士女さんが、第三王子は自滅したって証言して貰えると助かるね」
聖騎士女「もちろんだ、聖剣部隊ナンバー2。今はシスターをしているのでは?」
猟犬女「……知られていたのか」
聖騎士女「我々は近い位置にいるからね。表舞台に立っているからと言って陰の英雄達を馬鹿はしない」
猟犬女「ご立派なこった」

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Post-0135

蛮族娘「銀の塊、勇者達、返せ!オレ、許さない、覚悟!」
騎士「すまん、先に少しだけ話させてくれ」
銀騎士「ありがたい。共に第三王子に仕えた者として、王子の悲願にご協力願いたい」
騎士「悲願、と?そのために彼らを踏みつけにしたのですかな?」
銀騎士「誉れなき者など、どうなっても構わない。我が主は王ではなく、神になられようとしている」
騎士「慈悲なき者が、王どころか神に?」
銀騎士「慈悲は支配者の美徳だが、必須ではなかろう。貴き人が尊き行いをしようとしているのだ、協力したまえ」
騎士「銀騎士殿。あなたが第三王子の元に配されたのは、最強の騎士たるあなたの行いを学ばせるためだったのでは?」
銀騎士「騎士道は仕える事。誰にも負けず、全てを達成してこその騎士」
騎士「あなたと私では意見が違う。私は癇癪を起こして女人に物を投げつける事を尊き行いとは思わない」
銀騎士「しかし第三王子にはそれをする権限がおありだ」
騎士「何をするかは責任だが、何をしないかは品性だ。品性のないものは尊いとは言わない」
銀騎士「騎士殿を立てて話を聞いていたが、主をけなされては看過できぬ。抜け」
騎士「すまないが、今私はあなたを騎士とは認めない。誉れある戦いではありません」
銀騎士「どちらにせよ私の方が強い。謝って許される段階はすぎましたぞ」
騎士「あなたのお相手は私ではなく蛮族娘殿だ。私は露払いにすぎぬ。しかし、目の曇ったあなたでは蛮族娘殿はおろか私にも勝てまい」
銀騎士「口ほどに剣が上手ければ見直してやろう」

蛮族娘「騎士!危ない!……鉄の塊、強い!」
蛮族娘「騎士、応援、受けられない。騎士、自分だけで、戦う、してる」
蛮族娘「オレ、腰抜け。勇者、前に、出る!」

騎士「駄目だ!力を溜めて、打ち込める一撃を待て!」
騎士「待つのも、勇者の戦いだ!」

蛮族娘「騎士!鉄の塊、強い!オレ、手伝う、したい!」
蛮族娘「オレ、手伝い、したい……。手伝う、させて……」

蛮族娘「……違う!オレ、が、戦う!泣く、しない!騎士、絶対、約束、守る!」
蛮族娘「オレ、待つ!一撃!だけ!」

銀騎士「確かに強い。王宮に勤めていただけはある」
騎士「いいえ、私一人ならもっと弱い。今は『蛮族娘殿と共に』戦っている。ゆえに負けません」
銀騎士「心の強さは、残念ながら、腕前には関係しない。覚悟」

騎士「そう、我々は最後は大上段から打ちのめす」
騎士「だから、最後は振り下ろし。それだけに集中すれば……」

銀騎士「剣を跳ね上げられた……!しかしそちらも体勢を崩している!追撃はできない!」
騎士「今だ蛮族娘!」

蛮族娘「勇者、全て、一撃、込める!」
蛮族娘「かーうぉーうー!」
銀騎士「ぐぁ!」

戦士「偉い、蛮族娘。最後の最後で力を抜いたな。抜かなければ胴体が真っ二つだ」
騎士「戦士も終わったのか。確かに信じられない威力だ。厚い銀鎧が半分にひしゃげている」

蛮族娘「かーうぉーうー!」
蛮族娘『偉大なる三つ目熊よ、ご照覧あれ!今オレは再び勇者に至りました!』
蛮族娘『崇高なる群狼よ、オレは今群れを飛び出した!称えよ勇者!オレは群狼と共に戦う!』
蛮族娘「うーららー!」

戦士「何言ってんのかわかんねえけど、なんか越えたな」
騎士「うむ。さあ、全てを片付けに第三王子を追おう」

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Post-0134

猟犬女「はッ、見つけたよ。醜い豚」
猟犬女「情報にあった銀鎧も大男も邪術士もいない……罠か?いや、王子を餌にする馬鹿はいない。」
猟犬女「神のご加護だね……。まあ、ここにいる奴らにはご加護を垂れる価値なんざないけどね」
猟犬女「焦らず順に潰しな!王子に戦闘能力はない!」
聖剣部隊「応!」

盗賊「あれシスターじゃないか……?」
僧侶「ああ……なんという事を……。傷ついたシスターを現場に引き戻す悪魔……いや、人ですね。あの人は常に正しく常に最悪だ」
盗賊「訳ありだな。信じていいかだけ教えてくれ」
僧侶「信じないでください。突然人を殺します、何のためらいもなく」

第三王子「まったく、余を放置して消えるとはなんと不敬な」
第三王子「そこなシスター。神殿に金を出してやる。仕えよ」
猟犬女「残念だね。神殿はもうあんたはいらないってさ」
猟犬女「ほら、ご自慢の部下達もどんどん制圧されていく。捕まる前に何したのかゲロしな」

戦士「おまたせー」
騎士「おや、シスター殿?」
蛮族娘「オレ、勇者、なった!」
魔法使い「ごめんなさい、間に合いました?」
盗賊「大丈夫、楽しいのはこれからだ」

聖騎士女「待たせたな、思ったより数が多かった」
盗賊娘「一瞬で片付けたから、全然遅れてないと思います……」
剣士「この程度なら修羅場とも言いませんね」
術士「別の意味で今から修羅場じゃねえかな……?」

第三王子「下がれ、貴様らは余に触れる権利はない」
騎士「王子、あなたを囲んでいるのは全員無法者です。あなたの権威は通じない」
第三王子「ほう、騎士。生きていたのか。何度か追っ手を放ったが」
騎士「それをうかがえただけでここに来た価値がありますな」

術士「おい、なんか飛んでくるぞ!?」
魔法使い「仰向けですよ!?飛んでるんじゃなく、浮いてる!危ない、凄い勢いで突っ込んでくる!みんな避けて!」

禁術使い「許シテオラヌ眠リニ入ッタト思エバコノ有様」
禁術使い「妾ノ邪魔ヲスルデナイ」
第三王子「!?……支配者!この通り贄も供物も用意した。早く余を支配者に加えてくれ」
禁術使い「足リヌ……ガ、加エテヤロウ。サァ手ニ触レロ」
第三王子「これで余も神に……」
禁術使い「違ウナ、神ノ一部ダ」
盗賊娘「一瞬で、姿が消えた!?いや、服と装飾品が落ちてる……」
聖騎士女「見るな、盗賊娘、蛮族娘!」
僧侶「姿が……顔のある蜘蛛……に……」
猟犬女「おい僧侶、アレはお前の聖印にいるんじゃないのか!?(唾を吐きながら)」
僧侶「違います。これは、雌の蜘蛛……」

雌蜘蛛「ハハハ、雄蜘蛛ガ封印サレナイ限リ解ケナイ封印。忌々シイ」
僧侶「!?私達が封じた事で……!?」
雌蜘蛛「愛シイ雄蜘蛛……封印サレタ雄蜘蛛モソコニイル。コノ距離ナラ贄モ供物モ少ナクテ良イ」
雌蜘蛛「先ニ余ッタ分ヲ妾ノ腹ニ入レルカ」

盗賊「触れたら一瞬だぞ、ちょっと分が悪すぎる……」

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Post-0133

闘士「!?なんだこの歌は?……よし、敵だな。楽しんでくるぜ」
銀騎士「む……。禁術使いがやられたという事か。おい兵士ども。王子をお連れして下がれ」
闘士「禁術使いにでかい魔法使わせずに倒す手練れか。久々に楽しめそうだ」
第三王子「手早く片付けろ。余はまだ黄金を手にしておらぬ」
銀騎士「無論です。お任せを」

闘士「なんだあれ?兵士どもが雄牛に突き上げられたみたいに吹き飛んでるぞ。ははーん、力自慢か」
闘士「そこの革鎧!なんでお前斧から歌が出てんだ?まあいい、ちょっと俺様に遊ばせろよ!」
蛮族娘「大男!オレ、仕返し、しに、来た!」
闘士「誰だお前……?」
蛮族娘「ー!愚!」
戦士「落ち着け蛮族娘。お前の相手はこっちじゃねえだろ、こいつは俺が貰うよ」
闘士「結構強そうだな。どれ味見させろよ」
戦士「味見じゃ終わらねえよ。腹がはち切れるまで相手してやる。泣いて土下座したところに唾吐いてやるぜ」
闘士「てめえにできるかな……!?」
戦士「できねえねえだろ。てめえみてえな性根の腐った野郎、どんなに幹が大きくても根の腐った木なんざ雑魚なんだよ」
闘士「雑魚ねぇ……?何で斧使ってるのか知らんが、馴染みの武器じゃねえだろ?何か武器貸してやろうか?」
戦士「斧で殴り倒すことに意味があるんだよ。どうせどの武器使っても俺が勝つ」
闘士「ほざけ。やって見せろよ。おらァ!」
戦士「後手でも勝てるんだよ!今の俺は早いからな!おらァ!」
闘士「後出しで跳ね上げられんのかよ!その体格で盗賊並みだな!?」
戦士「はは、今回はチーム戦だからな。悪いがボコボコにさせてもらうぜ。てめえの敗因は、蛮族娘を勇者と扱わなかった事だ」
闘士「蛮族娘?知らんな。殺した相手も逃がした相手も興味がねぇ」
戦士「じゃあ俺には興味があるんだな。お前を負かせた男の名は戦士。そしてお前が負けた理由は、蛮族娘を勇者と扱わなかった事だ」
闘士「下らねえ……。じゃあはじけねえ重さでブン殴ってやらァ!」

蛮族娘「戦士……!」
騎士「蛮族娘、こちらだ……!ああ、やはり、やはり銀騎士殿だったのか」
銀騎士「む、これは騎士殿。何年ぶりか。助かる、同じ第三王子に使えた仲、協力を仰げまいか?」
騎士「何にですか?この非道に?」
銀騎士「非道?尊き方が尊き行いをしただけ、今は話す時間がもったいない」
騎士「いえ、ゆっくりお話させていただきましょう」

闘士「なんなんだよ!?何なんだよ!?なんで俺様より力が強くて俺様より早いんだ!?」
戦士「てめえが雑魚だからだよ」
闘士「おらァ!全力の一撃あててやったぜェ!倒れろ」
戦士「ヌルいんだよ。全力の一撃ってのは、こうだ……」
闘士「がはッ、ふ、ふざけるな。俺様は強い奴をぶち殺したいだけで、戦って負けてぇ訳じゃねえ……」(倒れる)
戦士「勝ちしか求めない奴が強くなれるわけねえだろ。負けても這い上がる奴の方がよっぽど強えよ。だから、蛮族娘は今はてめえより弱いかもしんねーけど、いつかお前より強くなるぞ……って、聞こえてねぇな」

僧侶「圧勝ですね。やはり戦士さんは怒らせたくない」
盗賊「お前に言われるのもどうかと思うがな」

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