Post-0180

戦士「で、結局よくわからねえんだけど、何をどうすればいいんだ?」
禁術娘「アハハ、正直どうすればいいかわかんない、ねェ。実際争奪戦から降りられるなら降りたいんだけど、降りるって事は死ぬって事だ、ねェ」
魔法使い「そうなんですよね。結構条件が複雑なんです」
盗賊「複雑、か」
禁術娘「その術を知る唯一の者は死なない」
魔法使い「あ、禁術娘さん、痛いのに見せなくていいです。みなさん、彼女本当に死にません」
騎士「魔法使いがそういうならそうだな。死なないのだろう」
禁術娘「信じるのかい」
騎士「本当に魔法使いが騙されるのであれば我々が疑っても騙される。死なないというのが真実である方がよほど説得力がある」
禁術娘「術を奪えば知っている者が1人ではなくなり、殺せるようになる、ねェ」
盗賊「奪い合いに参加している以上、殺せるなら殺すな。そうすれば自分が死なないようになる」
魔法使い「そうです。見逃したとしてまた襲いかかってくる恐れがありますから」
僧侶「そうなると、例えば魔法などでその術自体を忘れるというのはどうでしょうか……?」
禁術娘「もちろん試したよ。そういう呪文は効かないんだ。多分唯一知る者がその術を忘れる事で術自体が失われる事を防いでる、ねェ」
僧侶「そうなると、術を知ってしまった時点で脱落ができない……」
魔法使い「そうなんです。だからすべきなのは『誰も殺さずに争奪戦に勝つ』と同時に『争奪戦の結果得られたものを公開する』です」
戦士「……?意味が今ひとつわかんねえ」
術士「つまり、破術争奪戦の主眼は破術の希少性。それを集めて奥義に至り、不死とその奥義で支配者になりたいって事だろ。なら、少なくとも破術と奥義が広まれば希少性がなくなる。そして破術を知る者が増えれば増えるほど不死になる事が難しくなる」
魔法使い「まあ、ただ広めるだけだと無差別攻撃魔法が広がってしまうので、そのあたりを上手くアレンジしたものが広まるのが理想的ですよね」
禁術娘「ま、そういう事、だねェ。ただ、不死に術を吐かせるにはちょっと手荒な事をする必要があるよ、ねェ」
魔法使い「いえ、それについてはあなたのおにいさんが便利魔法の凄い応用を教えてくれたので大丈夫です」
禁術娘「あの、クズが……?」

???「おーう妹ちゃん、お兄様をクズ呼ばわりとは俺っち、ちょっと悲しいねぃ」
全員「!?」
呪術女「あーるるるるるぅあぇー」
戦士「ちょっと痛えぞ」
騎士「前線は前に、他は横に散ってくれ!」
術士「詠唱破棄!<魔力消失>待機!」
魔法使い「禁術娘さん、横に!」
禁術娘「クズが死んだって嘘じゃないか……!」
???「避ける必要ないねぃ」
禁術娘「ナイフを避けない……?って、違うね、アンタ誰だい?」
???「心臓にナイフ刺しながら言う台詞じゃないねぃ。普通死ぬねぃ」
禁術娘「クズは自分の事俺っちなんて言わないんだよ」
???「そりゃそうだ。複写は分かるように名乗れって言われたからねぃ。そろそろナイフ抜いてくれないかねぃ?」
魔法使い「死なないって事は唯一の破術持ちですね」
???「そうだねぃ。特別に教えてあげるよ。<複写>だねぃ。まあオリジナルが消えたから俺っちが不死になったんだけど」
禁術娘「で、何しに来たんだ、クズの模写」
禁術複製「可愛い妹にそう言われると心が痛むねぃ」
禁術娘「散々人で実験しておいてよく言うよ」
禁術複製「やったのはオリジナルで俺っちは別人。偶然同じ記憶を持ってるだけの双子だねぃ」
戦士「いちいち腹立つな」
禁術複製「いやいや、俺っちなにも悪さしてないねぃ。初対面という事で穏便にはいけない感じ?」
僧侶「あまりにも難しい判断ですが、まずお話を伺いましょう」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0177

ナンバー1「なるほど、第三王子の件を処理した褒美として、私の右目か左腕か左足を癒やして頂けると。幸いです。では、戦闘能力のために左足を生やして頂けますか?」
??「無論だ。本来高位の術だが君になら惜しくない」
ナンバー1「本来陰の存在である私に高位術士が接触するのは好ましくありませんが、何か特別な計らいを?」
??「冒険者でも高位の術士は存在する。騎士パーティの僧侶に頼めば造作もない」
ナンバー1「僧侶、ですか。まあ彼が断らなければ」
??「まあ確実に果たせるよう手配しよう。彼に直接腕や目も交渉するといい」
ナンバー1「ありがたきご配慮。女を捨てて目も手も足も捨てましたが、よもや取り返せる機会が頂けようとは」
??「良きに計らい給え。ところで、君は不死についてどう思う?」
ナンバー1「不死は負の生命力。神の裏に当たるこの世にあるべきではない存在です。何を信じていようとも、全ての神の信徒は不死を嫌い、不死を滅ぼそうとする。故に教団としては存在を認めない、に尽きると理解しております」
??「では、負の生命力ではない不死がいるとしたら?」
ナンバー1「醜悪な存在ですね。負の生命力は加齢すればするほど力が増す。しかし正の生命力に基づけば加齢すれば加齢するほど能力が落ちる。その前提で不死なのであれば生きれば生きるほど弱まっていく。それは加護ではなく呪いですね」
??「では、加齢を止められれば?」
ナンバー1「加齢を止められるのであれば実質不老。事故や殺害でない限り死なないのですから不死を求める必要はありません」
??「つまり、それさえ避けたい場合は?」
ナンバー1「呪いも加齢停止も魔術によるもの。神殿が関与するものではありませんが、魔術によって加齢なき不死を達成するものが現れたら、それは神に対する冒涜です。滅するべきかと」
??「そうか。だが、それは君のスタンスであって神殿の意向ではないね?」
ナンバー1「無論です。神と神殿が決めた事が最優先です」
??「追って何かを命令する。足を癒やして待機したまえ」
ナンバー1「かしこまりました」

ナンバー1「神殿にクズが発生した時、自浄できなければ未来はない……」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0175

魔法使い「では、詳しいお話を……。っていうか皆さんお酒持ってますね」
僧侶「ただいま戻りました。今日は一つ笑顔を守れたいい日になりました」
戦士「お、お帰り。せっかくだから飲んじまうか。そっちの子はイケる口?」
禁術娘「めちゃくちゃ緊張感ないねェ」
騎士「常に張り詰めているといつか切れるからな。張り詰めずに網を張っておくのが冒険者だ」
禁術娘「アハハ、お見事。せっかくだから、貰おうか、ねェ。禁術娘って呼んでいいよ」
戦士「よろしくな、禁術娘。じゃ、カンパーイ!」
魔法使い「あれ?ああ、あの時ぶりです、呪術女さん」
呪術女「……!?し、失礼、つい、夢中に」
蛮族娘「呪術女、甘い物、大好き。夢中に、なる」
盗賊娘「おいしかったもんね、あのパイ。もう一個食べたかったなぁ……」
看板娘「はいよ!ちょっとお高いよ!なにせ時価だからね!」
術士「あるだけ持ってきてくれ。蛮族娘も呪術女もおかわりいるだろ?そっちの子は?」
看板娘「まいどー!」
禁術娘「……」
盗賊「だから、全員、油断はしてねえって。左手にあるその粉、ろくな効果じゃないんだろ?」
騎士「そこまで我々を試して、何がしたいのだ?もちろん魔法使いが連れてきた客人、可能な限り助力はするが、あまり試されても気分が良いものではない」
禁術娘「わかった。アンタらのその感度なら確かにアタシの兄、禁術使いを倒せる。破術争奪戦でも上位の男をだ」
戦士「禁術使い……?聞いた事ねえ名前だな」
騎士「いや、銀騎士殿が取り調べで答えていた。辺境にいたあの魔術師だな。であれば、我々は倒してない」
禁術娘「……は!?」
盗賊「あの魔術師を倒したのは、お前の横にいるまほクンと、そっちでパイ食ってる呪術女の2人だよ」
禁術娘「二人で……?」
魔法使い「厳密にいうと僕も主戦力じゃないです。主にあっちの呪術女さんのお手柄です」
禁術娘「あそこでパイ食ってる……?隙だらけじゃないか……」
戦士「酒場で飛び道具を投げるのはナシだ」
魔法使い「呪術女さんは歌のプロフェッショナルです。肉弾戦では計れないですよ」
禁術娘「ちょっと、待ってよ、ねェ。クソ下らない破術争奪戦を終わらせる手伝いを頼みたいんだ。誰に頼めばいいんだい……?」
魔法使い「大丈夫です。みんな、協力してくれます」
禁術娘「油断すると破術をぶち込まれるとんでもない依頼なんだよ……?」
魔法使い「頼まれなくても、禁術娘さんのそばにいるならぶち込まれる可能性があるんでしょう?なら、終わらせましょう?」
盗賊娘「ごめんね、詳しく聞かないとなんとも言えないけど、あなたのそばにいる事で誰かが怪我したり死んだりするなら……」
戦士「悪いのはお前じゃなくて、ちょっかいかけてくる奴だよな」
盗賊娘「だから、こう言うよ。『そんな奴はぶっ飛ばせばいい』って」
禁術娘「参った。修羅場くぐってるのはアタシだけじゃないんだ、ねェ。とりあえず、そのパイ貰おうか」
蛮族娘「パイ、美味しい!」
禁術娘「アハハ、落ち着いて甘い物なんて食うの、もういつぶりか覚えていないよ、ねェ……」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0171

呪術女『久しぶりだな蛮族娘。我も王国に招かれた。邪魔でなければここに滞在したい』
蛮族娘『久しぶり、呪術女。オレは熊の皮を得て熊の勇者になった』
呪術女『それは喜ばしい。母熊の如く、弱き者を守れるようになったのだな』
蛮族娘『いや、雄叫びと共に意識を失う』
呪術女『なら、それはまだ仮初めの力。個で守り、群れで攻めるが勇者。お前はまだ守れていない』
蛮族娘『なら、もっと修行するよ』
呪術女『我は勇者ではない。故に教えられない。励め』
蛮族娘『もちろん!』

盗賊娘「蛮族娘、嬉しそう」
盗賊「まあ、普段魔法使い以外に言葉通じないしな」
盗賊娘「私ももうちょっと頑張って言葉覚えよう……」
術士「凄く良い事だな。聖騎士女も辺境の言葉上手いから習うといい」
盗賊「ところで呪術女、王国領に何か用事があったのか?よしみだ、何でも手伝うぞ」
呪術女「我、魔法学院、呼ばれた。我らの、呪術、は、魔法、と、違う、が、研究したい、と」
盗賊「なるほど、魔法使いのやってたアレだな」
呪術女「かわりに、我、魔法、学ぶ。魔法使い、我に、呪術、と、魔術、組み合わせる、見せて、くれた」
術士「はははは!なるほどな、魔法学院がやりたい事を呪術女もしたい。完全に対等だ」
呪術女「我ら、辺境開いた、役割、終えた。でも、我ら、生きる。生きる、には、目的、が、必要」
盗賊娘「そうだね……。生きるために生きるだけじゃなく、何か『したい』があるといいよね」
蛮族娘「オレ、強い、勇者、なる、目的!でも、盗賊娘、仲良い、も、目的!」
盗賊娘「ありがとう、凄く嬉しい。わたしも蛮族娘と一緒にいたいよ」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5XMZC


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0169

盗賊娘「熊の力は、危ないよ……?」
蛮族娘「熊の力、練習、必要。力、熊の皮、外す、なくなる。盗賊娘、熊の皮、取れる」
盗賊娘「うん、絶対じゃないけど、多分、できるよ」
蛮族娘「盗賊娘、も、勇者。オレ、安心。その前に」
盗賊娘「あれ、これ熊のなめし皮?」
蛮族娘「熊の頭、被る。盗賊娘、お揃い、喜ぶ」
盗賊娘「そうだね、お揃いだね。似合うかな……?」
蛮族娘「完全な、勇者。見とれる」
盗賊娘「えへへ」
蛮族娘「勇者、勇者、止められる。オレ、悪さ、我慢、する。もし、オレ、止める、任せた」
盗賊娘「うん、わかった」

盗賊「ただいま。猫のおもりで木に登る羽目になった」
術士「どうも。そろそろ盗賊娘が帰って……きてるな。お帰り。楽しかったか?」

蛮族娘「ぐらぁーう゛ぁー!」
盗賊「おい、蛮族娘薄く光ってるぞ!?」
盗賊娘「あ、あれ……?」
術士「おい、盗賊娘も光って……こっちに向かってくる!?」

盗賊「おっと、術士は肉弾戦無理なんだ。こっちに来てくれ」
術士「焦点合ってないし目が血走ってるぞ!とりあえず寝かせる!<眠り>!……って寝ないだと!?」
盗賊「おいおい神殿術士レベルの魔法で寝ないのかよ……、って蛮族娘はまだしも盗賊娘が早くて力が強い……!これは厄介だ!」

呪術女「熊の皮、外せ」

盗賊「助かる!」
術士「すれ違いざまに熊の皮を『盗む』。さすが盗賊」

蛮族娘「……。悪さ、我慢する、できなかった」
盗賊娘「……。一瞬目の前が真っ白になって……。わたし、何を……」

呪術女「勇者、の、熊の叫び、は、他、に、伝わる」
盗賊「なるほど、同じ格好してる奴に伝わるんだな……。魔法使いが喜びそうだぜ」
術士「ところで、何故、呪術女が王国領に……?」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0155

剣士「……」
聖騎士女「蜂蜜酒が気に入らない味だったか?……すまん、茶化すのは無理だな。どうしたのだ?」
術士「なんとなく分かるな。今は盗賊娘がいない。話せよ」
剣士「すみません。少し、もしかして私は底が浅いのではないか、と思いまして」
聖騎士女「私はそう思わないが、なぜそう思う?」
術士「むしろお前は誰より考えが深いだろ?」
剣士「いえ。おそらく私は経験が足りない。生まれてから真っ直ぐに神に向かい、なんら躓く事なく来てしまった」
術士「今が躓いていないとでも?」
剣士「躓いていない。自分が信じる正しい道を歩いている。だから、私には失敗の痛みや、傷の痛みを本当の意味で理解できないのではないだろうか?」
聖騎士女「なるほど。失敗や傷がない事が剣士の傷なのだな」
剣士「ない事が傷……?」
術士「盗賊娘の身の上を知って、傷のない自分に彼女を助けられるのかを疑っているのではないか?」
剣士「はい、おそらくそれが最も大きい」
聖騎士女「それだけ彼女が大事なのだろう。そして見ている限り、私には大事にできてように見える」
術士「あとな。転んでないから見えるものってあるんじゃないか?お前はそれを見せればいい」
剣士「そんなものあるのだろうか……?」
術士「お前が転んでないから見えない、と言っている何かがあるように、転んだら見えないものってあるんじゃないか?」
聖騎士女「それに、剣士が何を言っても、私達が見ている剣士は誠実で優しい。盗賊娘には心配してくれる優しい大人がまだ必要だと、私は思う」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0154

聖騎士女「盗賊娘がいないと、なんというか、風穴が開いたような気持ちになるな」
剣士「そうですね。ただ、まあ、蛮族娘さんと一緒にいるときは本当に子供のように笑う。だから、いいのではないですか?」
術士「お前神殿に仕えてなかったらいいパパになったろうにな」
剣士「はは、あんなに素直な子がいてくれるなら、きっと世の中の親というのは幸せなのだろうな」
術士「そうかね。幸せに生きて神にたどり着く奴もいるし、地獄の中で神にすがるものもいる。思い込みが一番危ないんじゃねえかな」
剣士「す、すまん。あまりにも雑な物言いだった」
術士「いいよ。少なくとも俺は今毎日が楽しい」
聖騎士女「ん……?向こうで騒ぎが起きてる。急ごう」

偽聖騎士「借金のカタに子供を連れて行くなんて、人が許しても神が許さん!抜け!」
悪徳商人「聖騎士の鎧……。しかし加護を撃つ前に畳みかければ!行け手下ども」
手下「うぉー!」
偽聖騎士「オレには加護はない!天誅ではなく人誅だ!」
剣士「凄い技術だ。私とも戦士君とも騎士殿とも違う。膂力を完全に流れで活かしている」
術士「が多勢に無勢だな。偽物みたいだが助けるか?」
聖騎士女「格好ではなく行いで判断すべきだ。が、私一人で十分だ。そこの人、合わせる」
偽聖騎士「ありがたい!オレは左から右へ、キミは逆を頼む。キミは女性だが守る方が失礼だ」
聖騎士女「そのように言ってくれるのは嬉しいな。10手詰みだ。まず1手」
偽聖騎士「お上手。では2手3手」
悪徳商人「聖騎士が2人……。あまりにも強い。お前らはそこで時間を稼げ!」
剣士「ようこそこちらへ。怪我をしない程度に、お相手しましょうか」
術士「こいつはちょっとスネてるんでな。運がなかったな」

偽聖騎士「ふぅ、誰も怪我せず鎮圧できた。協力してくれてありがとう」
聖騎士女「礼には及ばない。失礼だが、その鎧は聖騎士にのみ与えられるもの。あなたも同じく聖騎士という認識で良いか?」
偽聖騎士「いや、オレは加護を与えられていない。だから聖騎士ではない。が、この鎧は死んだ聖騎士から譲られたもの、正式にオレのものだ」
聖騎士女「そうか、失礼した」
偽聖騎士「……怒らないのか?神に認められて初めて身につけられる鎧を、聖騎士でないオレが身につけていて。キミも血のにじむ努力の上で聖騎士になったのだろう?」
聖騎士女「努力したのは私が望んでの事だ。それで誰かを責める権利がある訳でもない。鎧が奪ったものではなく譲られたものであれば責める道理がない」
偽聖騎士「ありがとう。キミのような聖騎士を見たのは初めてだ」
聖騎士女「まあ私も変わり者だからな。それよりも今の詳しい話を聞かせて貰えるだろうか」

偽聖騎士「と言う訳で、あの悪徳商人が無理矢理金を貸しては剥がして子供を連れ去っていた。それを誰もとがめる事ができなかった」
聖騎士女「責めるな。強くない事を怒るのは強者の驕りだ」
偽聖騎士「もちろんだ。だからこその放浪者だ。オレにしかできない事を、今日オレはした」
聖騎士女「立派だ。神ならぬ私にはわからないが、あなたは必要な物を備えていると思う」
偽聖騎士「はは、本物に認めて貰うのはくすぐったいな。だが、オレもいつか加護を得て人を救う本物になるために修行を続けていくよ」
聖騎士女「そうなる事を願っている。もし何かあれば、私達の酒場を訪ねてくれ」
偽聖騎士「ああ、助かるよ。いい女だな」
聖騎士女「真顔でそう言ってくれる人間は初めてかもしれないな」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0146

聖騎士女「邪魔をする」
戦士「おう、珍しいな。全員で来てるのか」
剣士「盗賊娘君の武器を新しくしようと思ってね。もう少し重い短剣にすれば弾きが効率的にできる」
盗賊娘「あのね、戦士。わたしトレーニングしてちょっと力が強くなったんだ」
戦士「すげえな!」
蛮族娘「盗賊娘、力、強くなる。強い、梟、強い」
盗賊娘「それで、二人に、ちょっと弾きのコツ教えて欲しいんだ」
剣士「私は細剣使いだからね、武器万能の戦士君に聞いた方がいいと思う」
術士(盗賊にウィンク)
盗賊「はは、確かに。俺も弾きじゃなくカウンターが主体だから戦士に聞くのがあってるな」
騎士「是非ゆっくりしていってくれ」
聖騎士女「で、魔法使いは何を読んでいるんだ?」
魔法使い「わわ、すみません、気づきませんでした」
聖騎士女「はは、集中力があるのは素晴らしいことだ」
魔法使い「古代の禁忌魔法について調べていました。この前禁術使いと事を構えたので」
聖騎士女「危険な知識だ……。しかし君ほどの人物なら大丈夫だろう」
魔法使い「この『伝染する呪い』という禁術奥義の一つ。触れたものに呪いが伝播して広がっていくと言います。あまりにも危険です」
聖騎士女「ああ……危険だったな」
魔法使い「だった……?」
聖騎士女「そうか、気づいていなかったか。黄金郷だ」
魔法使い「え……?あっ!そうか、全てが黄金になる呪い。それを封じていたのが辺境、守っていたのは古代魔法の末裔……!」
聖騎士女「そうだ。私も言葉を覚えて気づいた。蛮族娘こそ、古代魔法使いの末裔だ」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0140

魔法使い「さぁ、儲からなかったどころか持ってきた金貨消えちゃいましたけど、帰りましょう!」
盗賊「散々だったな」
僧侶「そうですか?とてもいい出会いがありましたよ」
戦士「久々に勇士と会えて良かったぜ」
騎士「銀騎士殿も聖騎士女殿が連れて行った。一件落着だ」
蛮族娘「うーららー!」
魔法使い『あはは、ワクワクしてるんだね、蛮族娘さん』
蛮族娘『オレが往くは密林の向こう。勇者は常に真っ直ぐに進む』
盗賊「!?魔法使い、今<翻訳>使ってないよな……?」
魔法使い「あはは、ちょっとコツがありまして……」

術士「なんでブツブツ呟いているんだ、聖騎士女」
聖騎士女「ぶつぶつ……。ああ、術士。<翻訳>の残り時間が惜しくてな」
術士「惜しくて?」
聖騎士女「言いたい事を口にすれば<翻訳>が現地の言葉にしてくれる。つまり耳に聞こえるのは翻訳された言葉だ」
術士「当然だな」
聖騎士女「それを覚えれば、最終的には<翻訳>を使わなくても現地の言葉が覚えられる」
術士「天才なのもほどほどにしとけよ」

僧侶「コツ、とは?」
魔法使い「気づいたんです。現地の言葉、古代魔法語に似てるって言いましたよね」
僧侶「はい」
魔法使い「これ、なまりなんです。語尾が全部アになってるだけです。多少違いはあるんですが」
盗賊「普通気づかねえな。天才なのもたいがいにしとけよ」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!

https://t.co/q6wVxTsU68


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0139

勇士「異邦の皆、協力に感謝する。『黄金郷』が消え、我らはついに呪いに打ち勝った」
聖騎士女「全てはあなた方が封印を守り続けてきたからだ」
勇士「重ねて感謝する。そして、我が妹蛮族娘を再度勇者にしてくれた事にも感謝する」
蛮族娘「かーうぉーうー!」
勇士「戦士には申し訳ないが、妹は勇者になった。勇者は群れの意向ではなく、自ら番いを選べる」
蛮族娘「オレ、勇者!勇者、自分で、番い、選べる!」
蛮族娘「オレの、番い……」
騎士「ごくり」
盗賊「ごくり」
僧侶(にこにこ)
魔法使い(手で目を覆う)
猟犬女「……」
聖騎士女「あわわ」
盗賊娘(どきどき)
剣士「ごくり」
術士(にやにや)
戦士「……?」
蛮族娘「もっと、後で、決める!」
全員(ほッ)
盗賊娘「あ、あのね、蛮族娘ちゃん。わたし、卑怯な手はつかわないよ」
蛮族娘「卑怯、しない、偉い。オレも、卑怯、しない!」
盗賊娘&蛮族娘(笑顔を交わす)
術士「聖騎士女が『あわわ』って言う所なんてもう一生見られないな」
聖騎士女「あまりからかうな」
僧侶「私、もしかして生きてて良かったかもしれません……」
盗賊「もしかしなくても生きてるだけですでに良いことなんだよ」

??「事はどうなったのだね?」
ナンバー1「ご報告通り、第三王子は辺境で邪神に出会い取り込まれました。それだけです」
??「王宮に邪神崇拝がはびこっているという噂は?」
ナンバー1「痛みを我慢できない貴族を徹底的に洗って影響範囲は綺麗になっています」
??「つまり?」
ナンバー1「用意したスケープゴートは不要でした。別に使う可能性もあります。温存しましょう」
??「王子を殺したシスターの首を取る、という話は」
ナンバー1「使われなかった以上最初から存在しなかった、という事ですね」
??「まあ自滅してくれて助かった。王子レベルが相手だとどうしても対価に差し出す首が必要になる」
ナンバー1「それを恐れて邪神を放置すれば1人の被害ではすまない。神は人を区別しません。犠牲になる人間が何者であるかも」
??「君を敵に回したくないね」
ナンバー1「神に見放されなければ大丈夫です」

猟犬女「ほら、追いかけっこしなくてすんだんだ、喜んで一杯奢られな」
聖剣部隊「すみません」
猟犬女「ただ、次にあたしを呼んだらおしまいだと思えよ。二度とあたしを地獄に引き戻すな。蓋が開いちまう」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


元ポストはこちら


※収録に当たって多少手直ししているものがあります。