Post-0100

騎士「おお、お互いの意思が疎通できる魔法か。便利だな」
魔法使い「ええ。ただ、ちょっとコストが高いので連発すると厳しいです。あと……」
戦士「あと?」
魔法使い「うわ、どこを見ていいんだろう。ジロジロ見たら失礼だし」
魔法使い「こんな感じで思ってる事がお互い全部筒抜けです」(赤面しながら)
蛮族娘「弱き者は何を言ってるんだ?部族の正装だぞ?」
僧侶「と、とにかく効果が切れる前に全部聞きましょう」

戦士「なるほど。境界を越えたよそ者を、勇士はそれでももてなした。のに、遺跡から帰ってきたよそ者は礼をすると言って勇士達を呼び、しびれ薬を飲ませて捕まえて連れ去ってしまったのか」
蛮族娘「そうだ。オレは必死で追ったが、鉄の塊に勝てなかった。奴らは誇り高き戦士のオレをあざ笑って立ち去った」
騎士「許せんな。もてなしてくれた者を罠にはめるとは」
蛮族娘「お前も鉄の塊だ。お前も卑怯なのか?」
騎士「そんな事はない。鎧は着る者によって輝くのだ」
戦士「勇士がピンチなら助けに行くしかねえな。案内を頼めるか?」
蛮族娘「当然だ」
戦士「じゃあちょっくら行ってくらぁ」
僧侶「流石に一人では行かせられませんね」
盗賊「こっちから領域に手を出してる。これは雇い主に言って新しい仕事にして貰おう」
魔法使い「流石盗賊さん、頭が良いですね」
盗賊「幸いこちらには言葉が少し通じる蛮族娘と、<対話>の使える魔法使いがいる。俺らが適任だよ」
魔法使い「そろそろ<対話>が切れますね」
蛮族娘「盗賊、頭、強い。オレ、お前、認める。お前、短刀、似てる」
盗賊「はは、ありがとうよ」

#ちょっとズレてるお人好しども


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※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0102

盗賊「森が深いな……。木の根に足を取られるな。転ぶと痛いでは済まないぞ」
僧侶「盗賊さんは野伏みたいに野外も得意ですね」
盗賊「はは、色々あって、な。しかし先が見えない」
騎士「む。先刻から、小さく歌のような何かが……」
魔法使い「歌……あ……めまいが……」
蛮族娘「せらっぱ!かみーれ、うぇけな、りーば!」(突然耳を塞ぐ)
魔法使い「この眠さ、魔法です……!なら、<魔力除外壁>!これで……!違う、魔力じゃない、歌だ……」(倒れる)
盗賊「魔法使いよくやった!みんな耳を塞げ!」

(槍を持った仮面の戦士達が襲いかかってくる)

戦士「塞いでる暇ねーだろ!なんだこの馬鹿力!?その体格で出せる力じゃねーだろ!」
騎士「分かっていると思うが殺すなよ。おそらく蛮族娘の関係者だ」

蛮族娘「あが、らいらまーな、でぃあっが!」
??「だいあ、ぐのーら、でぃしあ!」
蛮族娘「やーが、かみーれ!戦士、勇士、あぶらーば!」

(戦士達が槍を引く)
(フェイスペイントの女が木の陰から出てくる)

??「わかった、すまない、勇者たち」
蛮族娘「大丈夫、呪術女、敵、違う」
呪術女「すまない、勇者達。我、呪術女。今、勇者、いない。我、集落、まもる、している」
騎士「なるほど、集落の長を代行しているのだな。私は騎士。よろしくお願いする」
呪術女「鉄の塊、我、強い、嫌。でも、鉄の塊、勇者、あれば、我、辛い、しない」
僧侶「魔法使いさん、<覚醒>です。大丈夫ですか?」
魔法使い「あ、おはようございます。さっきのあれ、多分魔法じゃなく、近いけど違う技術です。面白い……です!」
盗賊「少し空気読もうか」

#ちょっとズレてるお人好しども


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※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0099

騎士「彼女の状況を詳しく知りたいが、こうも片言だと……」
盗賊「ゆっくり聞くしかないな」
蛮族娘「誉れなき、行い!オレ、勇士、助ける、なかった!誉れなき、もの、ども!」
魔法使い「駄目です。多分急ぎです。<対話>!」
蛮族娘「よくもオレの兄を!油断させて手を出すとは、恥を知れ!」
蛮族娘「寄るな弱き者!オレに邪術をかけるなら舌を噛む!」
魔法使い「うん。大丈夫だよ。君の勇気はわかるよ。くやしいね。話を聞かせて」
蛮族娘「……!?話が、わかる……!?」
魔法使い「邪術はね、人と仲良くするためにあるんだよ」
戦士「名前を教えてくれるか、勇士の妹」
蛮族娘「勇士を知っているのか!?お前、戦士か!オレの許嫁の!」
戦士「勇士は知ってるが許嫁は知らねえ」
騎士「まあ嘘をつけるほどの頭はないからな」


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Post-0098

盗賊「辺境との境の警備、ねえ。紳士協定でお互い手を出さないんだろ」
騎士「紳士協定があるからこそ、だな。お互い見張り合っている建前が必要だ」
戦士「一日歩いてそれなりの金、酒も飲めるしいいんじゃねーの?」
魔法使い「あ、あそこに誰かが!」
僧侶「いけない、怪我をしている……!」

魔法使い「ちょっとどこを見ていいかわかりませんね。僕には刺激が強い露出度です」
戦士「あまり近づくなよ、素手でも首を引きちぎれる筋肉をしてる」
蛮族娘「……?」
僧侶「気づきましたか?」
蛮族娘「卑怯!先に、手を出した!勇士、兄、誉れなき、行い!」
騎士「こちらの言葉が……誉れなき行い?」
蛮族娘「戦士、兄、勇士、約束、守る!戦士、兄、部族、助ける!オレ、勝てない、だった。悔しい、悔しい、悔しい!」
盗賊「お、おい、泣くな。戦士、知り合いか?」
戦士「知らねえ。でも勇士は知ってる。お前、勇士の妹か……?」
蛮族娘「戦士、オレ、いいなづけ、兄とオレ、助ける、約束!」
魔法使い「いいなづけ……?」
戦士「おい魔法使い、なんで冷たい目で見るんだ……?」


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Post-0095

戦士「狭い通路に射手が5人。殺意たけー。さすがに根性じゃ通して貰えないな」
騎士「クロスボウだと鎧も貫通するな」
盗賊「警告無しで撃ってきたぞ」
魔法使い「<不可視障壁>!」
僧侶「なぜコストの低い<障壁>ではないのですか?」
魔法使い「みなさん、もちろん突破ですよね?」
戦士「もちろん。何かいい方法あるのか?」
魔法使い「<魔法の手>はものを動かします。重さに関係なくなんでも。魔法で作ったものでも」
盗賊「……!お前、<棘の壁>出さないだけ優しいな」
魔法使い「じゃあいきますよー!」


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Post-0090

聖騎士女「しかし、お前らがそんな思いで着いてきてくれていたとは。私が盲目だった。本当にありがとう」
剣士「いえ、私が好きでした事ですから。貴方のように気高い人が神殿の兵器として使われるのは忍びなかった」
術士「俺は、聖騎士女が、眩しかったから着いてきた。神殿術士とはいえ魔術を使う身、他の者からは唾棄される。だが、聖騎士女だけは、俺のことを名前で呼んだ」
聖騎士女「それだけで……?」
術士「それが、どれだけ眩しかった事か」
聖騎士女「すまない、私はそんな事すら知らなかったのだな」
術士「光が影を生むのは当然、それは光の責任ではない。でも、聖騎士女は俺を照らしてくれた」
聖騎士女「そして盗賊娘。お前がわがままを言わなければ我々は帰ってきていないだろう。ありがとう」
盗賊娘「いえ、そんな。でも、みんな帰って来れて嬉しいです」
聖騎士女「これで戦士に恨まれずに済む」
盗賊娘(赤くなってうつむく)


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Post-0089

看板娘「おかえり!世界を救ったとか言う与太を聞いたよ!別の酒場に行かないの、英雄さん達?」
戦士「思い出したくもねえよ。早く一杯やらせてくれ」
騎士「すべきことをすべきタイミングでしたまで。少女を救うのは誰だってする事だ」
僧侶「ふふ、帰ってこれるとは思いませんでしたよ」
盗賊「帰ってくるのはやっぱりこの酒場だな、我が家みたいなもんだよ」
看板娘「部屋は貸してるけど家は貸してないよ!ほら人数分のエール!」
魔法使い「喉が渇いた時にはエールが一番ですよね!」
戦士「お前は血が足りないんだからこの蛇でも喰っとけよ」
魔法使い「わわっ!生きてる!」
戦士「すぐに喰わないと活きが落ちるからな」
看板娘「蛇はいいけど生きてるのはやめてよ」
戦士「ああ、すぐ締めるわ。でも、その前にな」
騎士「可憐な少女と、僧侶と、そして聡明な魔法使いに」
全員「かんぱーい!」


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Post-0088

魔法使い「戦士さー……。あれ?陰に隠れてる子がいる?戦士さん気づいてるよね……?」
魔法使い「あー、そうか。ねえ僕?」

魔法使い「うん、うん。そうか。せっかく喧嘩の方法教えて貰ったのに、恐くなって逃げちゃったんだ」
魔法使い「うん、でももう一回教えて欲しいんだね、戦士さんに。うん、すごいね、君」
魔法使い「え?戦士さん絶対怒らないよ。当てて見せようか?こう言うよ。『逃げたのにもう一回立ち向かうんだな』『根性あるな』って。絶対」
魔法使い「うん、だからほら、行っておいでよ。それも根性だよ。じゃあね」

魔法使い「あれ?なにしに来たんだっけ?まあいいや。今日は子供の背中を押しに来たんだよね」


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Post-0086

戦士「おらぁ!刃が通らなくってもよろけてンだろ!ぶっ倒す!」
騎士「衝撃が通るならいつかは勝てる」

少女「こわい、こわいよ……」
僧侶「大丈夫、おじさんが今助けるよ」
魔法使い「僧侶さん……」
僧侶「<犠牲>!全てを私に……!」
魔法使い「ああ、僧侶さん……」
盗賊「くそったれ……」

(僧侶の形が変わっていく)
僧侶「はハ、今回は助けらレました。さあ、私ヲ斬って」
魔法使い「ありがとう、僧侶さん。……勝ちました」
僧侶「おい、魔法使い」
魔法使い「盗賊さん、僧侶さんを気絶させて下さい。急いで!」
盗賊「信じたぞ」(みぞおちを一撃する)

(倒れた僧侶が再び起き上がる)
僧侶「……!!!」
魔法使い「よし、行きますよ!<入れ替わり>!」
(魔法使いの全身から血が噴き出す)
魔法使い「さすが邪神、強い。でも、僕も根性比べでは負けません!」
魔法使い「僧侶さんを、返せ!……!」

(魔法使いの身体が倒れる)
盗賊「駄目か……?」
僧侶「あはは、成功しましたね。<入れ替わり>では本来肉体ごと精神を交換するんですけどね、ちょっと応用すれば相手の心を『僧侶さんの聖印』に入れられるんです。僧侶さんが何年も祈りを込めた聖印にね」
盗賊「マジかよ……」

戦士「おるるるぁ!一撃!」
騎士「突然刃が通ったな」


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Post-0084

ナンバー2「ちっ、相手が強すぎる!剣が通らない!」
ナンバー2「聖堂騎士!そっちをなんとかしろ!世界が滅ぶ!」

少女「こわい。こわいよ。だれか助けて……からだが動かない……」
(雷に浮かぶ大きな蜘蛛の姿)
聖堂騎士「……!」
少女「騎士、騎士様、助けて……こわいよ。ママに、あいたい」

ナンバー2「せめて、恐怖から解放してやれ!」

聖堂騎士「……」
聖堂騎士「君は今、悪い夢を見ているんだ」
聖堂騎士「ほら、目をつぶって、深呼吸をして。目が覚めたらママが水を持ってきてくれる」
聖堂騎士「さあ深呼吸して……。いい子だ」

(重い物が地面に落ちる音)

聖堂騎士「私は、何を守るために、聖堂騎士に……!」

ナンバー2「加護を失ったな!死ね腐れ外道!(敵を斬り捨てる)」

僧侶「はっ……!」
戦士「目が覚めたか。泡吹いて倒れてたぞ」
僧侶「すみません、ご迷惑を」
戦士「その切羽詰まった顔やめろ。お前に余裕がなくて誰が人を助けるんだよ」


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