蛮族娘「銀の塊、勇者達、返せ!オレ、許さない、覚悟!」
騎士「すまん、先に少しだけ話させてくれ」
銀騎士「ありがたい。共に第三王子に仕えた者として、王子の悲願にご協力願いたい」
騎士「悲願、と?そのために彼らを踏みつけにしたのですかな?」
銀騎士「誉れなき者など、どうなっても構わない。我が主は王ではなく、神になられようとしている」
騎士「慈悲なき者が、王どころか神に?」
銀騎士「慈悲は支配者の美徳だが、必須ではなかろう。貴き人が尊き行いをしようとしているのだ、協力したまえ」
騎士「銀騎士殿。あなたが第三王子の元に配されたのは、最強の騎士たるあなたの行いを学ばせるためだったのでは?」
銀騎士「騎士道は仕える事。誰にも負けず、全てを達成してこその騎士」
騎士「あなたと私では意見が違う。私は癇癪を起こして女人に物を投げつける事を尊き行いとは思わない」
銀騎士「しかし第三王子にはそれをする権限がおありだ」
騎士「何をするかは責任だが、何をしないかは品性だ。品性のないものは尊いとは言わない」
銀騎士「騎士殿を立てて話を聞いていたが、主をけなされては看過できぬ。抜け」
騎士「すまないが、今私はあなたを騎士とは認めない。誉れある戦いではありません」
銀騎士「どちらにせよ私の方が強い。謝って許される段階はすぎましたぞ」
騎士「あなたのお相手は私ではなく蛮族娘殿だ。私は露払いにすぎぬ。しかし、目の曇ったあなたでは蛮族娘殿はおろか私にも勝てまい」
銀騎士「口ほどに剣が上手ければ見直してやろう」
蛮族娘「騎士!危ない!……鉄の塊、強い!」
蛮族娘「騎士、応援、受けられない。騎士、自分だけで、戦う、してる」
蛮族娘「オレ、腰抜け。勇者、前に、出る!」
騎士「駄目だ!力を溜めて、打ち込める一撃を待て!」
騎士「待つのも、勇者の戦いだ!」
蛮族娘「騎士!鉄の塊、強い!オレ、手伝う、したい!」
蛮族娘「オレ、手伝い、したい……。手伝う、させて……」
蛮族娘「……違う!オレ、が、戦う!泣く、しない!騎士、絶対、約束、守る!」
蛮族娘「オレ、待つ!一撃!だけ!」
銀騎士「確かに強い。王宮に勤めていただけはある」
騎士「いいえ、私一人ならもっと弱い。今は『蛮族娘殿と共に』戦っている。ゆえに負けません」
銀騎士「心の強さは、残念ながら、腕前には関係しない。覚悟」
騎士「そう、我々は最後は大上段から打ちのめす」
騎士「だから、最後は振り下ろし。それだけに集中すれば……」
銀騎士「剣を跳ね上げられた……!しかしそちらも体勢を崩している!追撃はできない!」
騎士「今だ蛮族娘!」
蛮族娘「勇者、全て、一撃、込める!」
蛮族娘「かーうぉーうー!」
銀騎士「ぐぁ!」
戦士「偉い、蛮族娘。最後の最後で力を抜いたな。抜かなければ胴体が真っ二つだ」
騎士「戦士も終わったのか。確かに信じられない威力だ。厚い銀鎧が半分にひしゃげている」
蛮族娘「かーうぉーうー!」
蛮族娘『偉大なる三つ目熊よ、ご照覧あれ!今オレは再び勇者に至りました!』
蛮族娘『崇高なる群狼よ、オレは今群れを飛び出した!称えよ勇者!オレは群狼と共に戦う!』
蛮族娘「うーららー!」
戦士「何言ってんのかわかんねえけど、なんか越えたな」
騎士「うむ。さあ、全てを片付けに第三王子を追おう」
#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa
蛮族娘「銀の塊、勇者達、返せ!オレ、許さない、覚悟!」
騎士「すまん、先に少しだけ話させてくれ」
銀騎士「ありがたい。共に第三王子に仕えた者として、王子の悲願にご協力願いたい」
騎士「悲願、と?そのために彼らを踏みつけにしたのですかな?」…— 大北天魔王:如月翔也⋈TRPGer (@showya_kiss) July 18, 2026
※収録に当たって多少手直ししているものがあります。