Post-0193

魔法使い「お帰りなさい。追いつけないと思ったので追わずにすみません」
術士「はは、信じてくれたんだろ。光栄な事だ」
盗賊娘「お邪魔しまーす」
蛮族娘「……!盗賊娘!パイ、食べる!」
盗賊娘「あはは、お願いしちゃおうかな。看板娘さん、わたしと、蛮族娘と、あと呪術女さんの分お願いできます?」
看板娘「もちろん、任せておいて!」
禁術複製「看板娘の人も肝座ってるねぃ」
看板娘「あはは、冒険者の酒場でトラブルの起こらない日なんて無いからね!官憲が踏み込んでこない程度でお願いね!じゃないと叩き出すよ」
禁術娘「気が強い、ねェ」
盗賊「いや、事実叩き出すぞ、看板娘は」
禁術娘「……。強いんだ」
戦士「素手だと俺とどっこいだな」
騎士「ここで仕事をしていれば勝手に腕があがるからな」
禁術複製「はぇー。今後冒険者の店には近づかないでおこうねぃ」

偽聖騎士「では、話を聞かせて貰おうか。町中で破壊魔法が放たれた理由を。致命傷でも死なない理由を」
聖騎士女「場合によっては神殿も巻き込んでの問題になる」
ナンバー1「ふむ。面白い話が聞けそうだ。ここにいて構わないか?僧侶」
僧侶「後で探られるくらいなら直接聞いて頂いた方が良いと思います」
戦士「あんまり難しいと寝るかもしんねー」
騎士「恐らくそう難しい話しではないな」
盗賊「いや、難しくはないが、お前には違う意味で理解できないかもしれない」
魔術師「詳しく、教えてください。なぜ私の師と仲間が死ななければならなかったのかを」
魔法使い「では、お話しします」

魔術師「つまり、私の師と仲間は、破術を奪い合うのに巻き込まれて死んだ。と?」
魔法使い「単純にまとめると、そうなります」
魔術師「みんな、人の役に立つために魔法を覚えた。人を助けたくて術を使った。それを、自分が不死になりたい、術を独占したいから、まず奪う前段階として、殺した?」
魔法使い「……そういう、ことに、なります」
盗賊娘「駄目。相手を殺したらあなたも同じになる」
盗賊「お見事。詠唱破棄しないのなら口に指を突っ込めば魔法は使えない。ナイフじゃなくて指なのは慈悲と思えよ、魔術師さん」
魔術師「……。わかりました。落ち着きます」
偽聖騎士「術の奪い合いは、お互いそう考えているなら実質決闘だろう。しかし、その意思のない者を巻き込むなら許されない」
禁術娘「……!?」
偽聖騎士「だから、禁術娘君は悪くない。禁術複製君も、少なくとも支配から逃れた後は責任がないだろう。が、禁術複製君はまだ『諦めて』いないね?」
禁術娘「……」
禁術複製「何の話かねぃ?」
偽聖騎士「別に構わない。行動に移らなければ、何を考えても問題ない」
聖騎士女「それはちょっと聞き逃せないな。本性が邪悪なら罰されるべきでは?」
偽聖騎士「本性が邪悪かは行動で見るべきだろう。少なくとも本人の考えを俺達が知る方法はない。相手の考えを決めつけて処罰するというのも、少なくとも必ず正しい行動だとは言えない」
聖騎士女「ふむ。行動に基づく考えが邪悪か、ではなく行動が邪悪かで判断すべきだというのだな」
偽聖騎士「そうだ。その点において、この男は許されない。不死を求めたからではなく、一方的に殺したからだ」
聖騎士女「その点は同意しよう」
偽聖騎士「では、彼は処断されるべき。俺が討っても?」
魔法使い「待ってください。魔法対肉弾戦は黙って見逃せません。彼は神殿で処理されるべきです」
ナンバー1「つまり、私が連れて行っていいのだね?」
魔法使い「お願いできますか」
ナンバー1「素晴らしいお土産だ。感謝する。君達の行動は、一つ世界を良くする」
僧侶「……」
盗賊「僧侶?」
僧侶「彼女は常に正しく、そして常に最悪だ……」
ナンバー1「それ以上を私が聞くと、君達の行動に問題が出るだろう。男を連れて行って良いか?」
魔法使い「ご配慮痛み入ります」
ナンバー1「では失礼する」

戦士「で、結局、偉くなりたいから人を殺す、自分が不死になりたいから人を殺す、って話しなのか」
魔法使い「そうです」
戦士「まあ、やってる事が戦闘と一緒だな。魔法使う奴は頭がいいからそういうの関係ないかと思ってたよ」
魔法使い「あはは、結局みんな人間ですから。死にたくないし偉くなりたいですよね」
戦士「でもお前はそれをしないんだろ。結局人間性の問題だろ」
僧侶「そうですね」
戦士「わかった。禁術娘も禁術複製も、俺ができる範囲で守るよ。足りない部分もみんなでフォローする。で、いいか?騎士様」
騎士「もちろんだ」
盗賊「で、まずは人を殺さずに破術を集めればいいんだな?」
魔法使い「そうなります。が、恐らくそんなに時間はかからないんじゃないかと」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#破術争奪戦編

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Post-0192

すみません、1ヶ月がっつりお休みしました。再開します。
お忘れの方、振り返りたい方はまずこちら。

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禁術複製「じゃあ、細剣の人に対処を頼むねぃ。でも反応遅いようなら容赦なく処すねぃ」
剣士「はは、そうならないよう努力するよ」
禁術娘「アタシらが死なないからって、痛くないわけでもないからね。死ぬほど痛い目にあうくらいなら、先に殺すよ、ねェ」
破術使い「……くそっ」
禁術複製「馬鹿の人はもう脱落なんだから諦めるべきだねぃ。種は割れてるんだから次は逃がさないねぃ」
術士「<伸縮>ねぇ……。それ、縦だけじゃなく横にも伸びるんだろ」
禁術娘「だろうねェ」
術士「じゃあ、四肢の付け根だけを伸ばすと、面白い事になるな」
破術使い「……ちッ」
禁術複製「なんでこんな地方にまほクンなり術士の人みたいなのが集まってるんだろうねぃ?」
術士「はっは。うちのボスの聖騎士女は俺らの比じゃないぞ」
禁術複製「ぶるる。初手で敵対しないで正解だったねぃ」
禁術娘「誰相手だって初手で敵対するのは馬鹿のすることだよ、ねェ」
盗賊娘「駄目、そこからは逃げられないよ」
剣士「おっと、男の逃げ場を固定して視線を固定させていたのだが、気づいたかね」
盗賊娘「剣士さんが、相手に分かるように導線を残したから……。剣士さんがその気になったら私にも逃げ場なんて見つけられないです」
剣士「やはり君は目がいい。目がいい者は全ての上達が早い」
術士「パパするのは後にしないか」
剣士「はは。じゃあ酒場に戻ろうか。もう死なないわけではないのだろう。なら逃げるな。一瞬で全てを奪えるぞ」
禁術娘「なんていう奴らだい……」
盗賊娘「ふふ、みんな、信用できるんですよ」
禁術娘「アンタもだよ。どれだけ修羅場をくぐってきたんだい」
盗賊娘「……。それを見抜ける、あなたも、ね」

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#ちょっとズレてるお人好しども
#破術争奪戦編

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Post-0191

禁術娘「さて。この男、不死を奪ったとしても、破術自体は持っている、ねェ。詠唱破棄できるなら拘束もあまり意味がない、ねェ」
禁術複製「じゃあ、魔法使いの人が来る前に処しちゃうかねぃ?」
術士「駄目だな、俺たちがもういる」
剣士「つまり、詠唱破棄すらさせなければいいのだろう?私に任せてくれ。身体か魔力かが動いた瞬間に意識を刈り取る」
禁術娘「刈り取る……?何者……?」
術士「あー、俺が知る中で世界で一番技術の高い剣士だよ。総合力で並ぶ者はいるが技術で並ぶ者は見た事がないな」
盗賊娘「うん、剣士さんが任せろ、というなら、それはもう大丈夫だよ。私でも1秒で意識を落とさせる事ができるから、剣士さんなら本当に一瞬だよ」
剣士「あまり褒めてくれるな。慢心してしまう」
術士「そういう堅苦しい奴だから油断もしねえしな」
盗賊娘「……うふふ」
禁術娘「……なんか毒を抜かれちまった、ねェ。アンタらみんなこんな感じなのかい?」
術士「みんな気負う必要がないくらいには鍛錬してるしな。が、それはあんたらも一緒だ。死なないのに何をそんなにカリカリしてるんだ?」
禁術複製「本当に死なないならねぃ。殺す方法が確立してる不死なんて不死じゃないねぃ」
禁術娘「……そうなんだよね。アタシらは人と違って寿命で死なない。争奪戦に敗れ、拷問され、術式を吐かされて死ぬ、しか死に方が選べないんだよ、ねェ」
盗賊娘「……そうなんだ。きっと、戦士さんなら『望まない運命を押しつけてくる奴なんてぶん殴られて当然だ』って言うよ」
禁術娘「あの馬鹿っぽいのが?」
剣士「ははは!彼は真っ直ぐだが、だからこそ最短距離で答えにたどり着く。実際、君もその運命についてそう思っているのでは?」
禁術娘「……そうかも、ね」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#破術争奪戦編

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Post-0190

破術使い「く、くそっ、破術使いが複数いるなんて聞いてない……!」
禁術娘「もともとアタシしかいなかったんだけど、ねェ」
禁術複製「複数いるとめちゃくちゃ強いんだよねぃ」
破術使い「こ、殺すのか……?」
禁術娘「そりゃあ、話すまでもなく破術は受け継がれたし、ねェ」
禁術複製「生かしておくと、俺っちを殺せばまた不死に戻れるって思うでしょ?残念。俺っちの<伸縮>の術式を妹ちゃんに<複製>」
禁術娘「!?……次に許可無しでやったら死んだ方がましだってくらい永遠に地面に叩きつけるよ」
禁術複製「それを複製して相打ちにしてもいいけどねぃ。許可を貰えば許してくれるならちゃんと許可を取るねぃ」
禁術娘「……少しは話がわかるんじゃないか……」
禁術複製「本人は効率的なら何してもいいと思ってたようだけど、俺っちはそれが嫌だったからねぃ」
禁術娘「……アタシも、嫌だったよ……」
禁術複製「じゃ、似たような事をしちゃってごめんねぃ。早く拡散しないと標的が俺っちに絞られちゃうから……って逃げるな。手足一本なら死なないねぃ」
破術使い「ぎゃっ!……手が、手が……!?」
禁術娘「手のひらをナイフで地面に縫い付けただけなんだからギャアギャアいうなよ、ねェ」
術士「お、やってるやってる。殺さない程度にな」
剣士「穏やかじゃないですね」
盗賊娘「相手の人、目が死んでない。ワンチャン狙ってるよ……」
禁術複製「うわ、この地域こういう人達ゴロゴロしてる感じ……?」
術士「いや、お前もコイツもみんなあたりが悪い。多分上澄みが集まってるぞ、このあたり」

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#ちょっとズレてるお人好しども
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Post-0189

魔法使い「では、不死ではなくなったところで建設的な話し合いをしませんか」
破術使い「そ、その前に他の奴らをどかしてくれ。この男もこの女も破術使いなんだろ」
魔法使い「ええ、ちょっと下がって頂けますか、禁術娘さん、禁術複製さん?」
禁術娘「いいけど、ねェ」
禁術複製「まあ、口車に乗らないようにねぃ」
魔法使い「これでいいですか?」
破術使い「もちろん。いいに、決まってる!<伸縮>!」
盗賊「おお、手を伸ばして酒場の外の物を掴んで、手を縮ませるのか。一瞬で移動できるな」
禁術娘「やっぱり、ねェ」
禁術複製「そうなるよ、ねぃ」

破術使い「やったぞ!って、何故女と男がここにいるんだ!?」
禁術娘「移動先の空気とアタシを入れ替えたんだよ、ねェ」
禁術複製「はは、術を複製させて貰ったねぃ。もう馬鹿の人しか<伸縮>が使えないわけじゃない。今度こそ本当に不死じゃないねぃ」
破術使い「くそ、くそッ!」
禁術娘「この段階まで生きてる奴が破術を一つしか持っていないわけがない、ねェ」
禁術複製「この段階まで生きてる奴が破術を一つしか持っていないわけがないねぃ」
禁術娘・禁術複製「……」

ナンバー1「不死の気配が1人分減った。あまりその術を広めて欲しくないのだが……」

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Post-0188:

偽聖騎士「オレは外を見てくるよ。まあ見る必要もないとは思うが。ちょっとマントを持って行く」

偽聖騎士「これは、酷いな。ほぼ原型を留めていない。可哀想だが人を殺そうとするという事はそういう事だ。せめてマントで隠してやろう」
偽聖騎士「ん……?関節が動いて……?そうか、これでも死なないのか。そしてゆっくり治っていく……」
偽聖騎士「すまない、見世物にするのは心苦しい。運ばせて貰うぞ。よいしょっと」

偽聖騎士「彼を連れてきた。治るまでにはしばらくかかるだろう。話を聞くなら僧侶君に治して貰いたいのだが」
禁術娘「はぁ、はぁ。放っておいてもゆっくり治るよ。治してやる必要なんてない」
偽聖騎士「しかし感じないで良い苦痛があるなら助けてやるべきでは?」
禁術娘「今まさにアタシがこのクソ野郎に感じないで良い苦痛を貰ったよ、ねェ」
偽聖騎士「その報いは今受けている。殺すなら少ない苦痛で殺すべきだし、助けるなら早く助けるべきだ」
禁術娘「クソ熱い奴だねェ……。嫌いじゃないんだけど、近くにいて欲しくない、ねェ」
偽聖騎士「それは済まなかった」
禁術複製「で、この襲撃者の人はどうするんだねぃ?魔法使い先生」
魔法使い「先生じゃないですけどね……。呪術女さん、この人が魔法を使えないように歌って貰えますか?」
呪術女「無論。あーるるぅあぇー」
魔法使い「じゃあ、オリジナルの人からヒントを貰った、便利魔法の悪い使い方をしましょう。僧侶さん、治して貰って大丈夫です。戦士さんは暴れたら取り押さえてください」
戦士「おうよ」
僧侶「わかりました。<治癒>」
魔法使い「では、僕とあなただけに、<対話>。持っている破術の情報、思い出してくださいね!」
破術使い「四門四術の創造門<創造>」
魔法使い「四門四術の移送門<整地>」
破術使い「……!くそッ、思考を読まれた……!しかし俺の<創造>を奪われたが、お前の<整地>を貰った!」
魔法使い「そう、これで二人とも不死ではありませんね……」
破術使い「ま、待て。話をしよう」
魔術師「仲間を散々殺しておいて、自分だけ死にたくないだと!?ふざけるな、<接続>で体内を深海につなげてやる!」
盗賊「ちょっとごめんよ」
魔術師「うっ……(倒れる)」
盗賊「ヤバい術持ち多いんだよ……」

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Post-0187:

禁術娘「アハハ、まほクン、痛いよ、ねェ。早く、棘を、消して」
魔法使い「棘を消しながら治さないと、大量に血が出ます」
禁術娘「出ても死なないよ。早く、消して」
魔法使い「僧侶さん、お願いします。凱旋の歌に合わせて、一、二、三。<消滅>」
僧侶「<治癒>」
聖騎士女「本当に連携が上手い。惚れ惚れするな」
禁術複製「じゃあ俺っちは……」
魔法使い「あなたは動かないでください」
禁術複製「俺っちなら楽勝で情報を抜けるねぃ」
魔法使い「知ってます。<複写>で本人を増やした後で<支配>するんでしょう?駄目です」
禁術複製「手っ取り早いんだけどねぃ」
盗賊「それで増やした奴をどうするんだよ?」
禁術複製「まあ、いなくなってもらうねぃ」
魔法使い「複製された人だって人間です。それを殺すなら殺人だ。殺さずに勝つのが最低条件です」
禁術複製「っと、それは、俺っちを人間として認めてくれるって事?」
魔法使い「当たり前じゃないですか」
禁術複製「こっちは君の事わりと好きだねぃ」
魔法使い「あはは、オリジナルにも言われました」

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Post-0186

ナンバー1「そして僧侶、今面白い事に巻き込まれているね?」
僧侶「まあ、確かにそうです」
ナンバー1「匂いで分かる。定命の定めに逆らっている者がこの場に3人、そして近くに1人いる」
禁術娘「……!」
禁術複製「妹ちゃん、駄目だ。この女に手を出したら、終わるねぃ。見なよ、上半身を揺らしてる。片目だから距離感ないのを、頭の位置を変えて見てるねぃ」
ナンバー1「ほう。わかるか」
禁術複製「三角測量だねぃ。実践でやってる奴は初めて見たねぃ」
ナンバー1「まあ種が割れて困るような手品でもない。君と君が不死だね?」
禁術娘「……!なんで、わかるん、だい?」
ナンバー1「人は無意識に心臓を守ろうとする。が、君らにはその動作がない。つまり、心臓がどうでもいいくらいに死なない事に慣れている。もう一人は心臓を守っているな。まだ不死になって短いか」
禁術娘「……くそっ」
ナンバー1「まあそれはどうでもいい。懺悔して、神に死を賜るか?私にはできるが」
禁術複製「冗談じゃないねぃ。生まれたばっかり、自由になったばっかりで死なんか賜ってられないねぃ。それに神の術でも死ねるとは思わないねぃ」
ナンバー1「そうか、なら構わないが」(一息に踏み込み、抜いた剣で二人の心臓を串刺しにする)
禁術複製「ぐっ!」
禁術娘「ぎゃっ!」
ナンバー1「この足なら踏み込みも十分だ。そして、本当に2人とも心臓を貫いても死なない。不死か……」
僧侶「何という事を……!」
ナンバー1「死なないのだから構うまい。神の摂理には反するが、実際に存在し、そして負の生命でない以上特段対処の必要もないな」
戦士「一応そいつら、俺らのお客さんだからよ、これ以上暴れるのはやめて貰えるか?」
ナンバー1「失礼した。では、後ろの一人には手を出さないでおこう。対処は任せた。私は自分の身を守れるからご自由に」
破術使い「破ァ!<魔力遮断>があるなら越えてから使えばいいんだよ!<呪禁の棘>!」
禁術娘「まほクン、遮断するな!オイタはいけない、ねェ。」
魔法使い「禁術娘さん……!」
禁術娘「アハハ、アタシは不死なんで、ねェ。痛くても根性があれば術は使える。破術持ち複数相手に突撃なんて馬鹿のする事だよ。<置換>」
戦士「それは根性と違うだろ……」
盗賊「敵の姿が消えた!?」
外の声「人が降ってきたぞー!むごい、ぐしゃぐしゃだ」
禁術娘「アハハ、空高くの空気と入れ替えてやった。奴が治るまでかなり時間がかかるねェ。奴が治る前にまほクンと僧侶さん、アタシから棘を消してくれる……?」
魔法使い「わかりました!でも、そういうやり方、やめて下さい。心が痛みます……」
禁術複製「でもまあ、こういう戦い方できると強いんだよねぃ。どんな奴でも痛みは避けようとする。そこで止まらない奴は一歩先を行けるんだよねぃ」
魔法使い「あなたは、黙っていて下さい。あなたまで嫌いになりそうだ」
禁術娘「まほクンに嫌われちゃったか、ねェ……」
魔法使い「そんな事ないです。僕が言ってるのはオリジナルに加えて禁術複製さんも、という意味です」

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※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0185

ナンバー1「すまない、取り込み中のようだが失礼してもいいだろうか」
僧侶「ナ、ナンバー1さん……」
ナンバー1「久しいな。息災だったか?」
僧侶「は、はい。しかし、あなたは失意のシスターを再度戦場に送った……」
ナンバー1「人聞きの悪い。確かに頼んだのは私だが強制はしていないし、そもそも私は彼女に対する指揮権を持たない」
僧侶「そ、それはそうですが」
ナンバー1「最も合理的な手段で、最も失敗しない手段だった。実際、部隊にも彼女にも損害は発生していない」
僧侶「しかし……」
ナンバー1「これは私と彼女の問題だ。彼女が不平を漏らすなら対応する。が、君には直接の影響はなかったはずだ」
僧侶「……は、はい。あなたは常に正しい。が、常に最悪だ」
ナンバー1「どちらも褒められたものと受け止めよう。ところで、頼みがあるのだが」
僧侶「私に……ですか?」
ナンバー1「そうだ。聖堂騎士ではなく僧侶の君に頼みがある。私の左足を生やして欲しい」
僧侶「……すみません、<再生>は塞がった傷には効かないんです」
ナンバー1「使えるなら使う意思があるという事だな。なら、報酬はあのシスターの教会を神殿直轄にして公に資金を注入する。これは神殿の総意だ」
僧侶「すみません、今回はお役に立てないんです」
ナンバー1「立てる。見ていろ」
僧侶「!?」
ナンバー1「塞がった足を一寸ほど落とした。さあ<再生>を使ってくれ。さもなければ私は失血する」
僧侶「なんという無茶を……!<再生>!」
ナンバー1「なるほど、<再生>をされると傷口がむずがゆくなるのだな。これは知見だ。あっという間に足が生えるな」
禁術娘「うわー。アレはアタシ達の傷が治るのと一緒だねェ。でもあっちの方がはやいねェ」
禁術複製「俺っち達の治るのはある意味『怪我の拒絶』だからねぃ。治すんじゃなくて『ゆっくり元に戻る』感じだよねぃ」
僧侶「これで十分なはずです」
ナンバー1「ふむ。義足なしで地面を踏めるのは久々だ。これで、一カ所、増えたな」
僧侶「なにが、ですか?」
ナンバー1「まあ、今のところは手足が一カ所増えたと思っておいてくれ」
僧侶「……はい」
ナンバー1「そして僧侶、今面白い事に巻き込まれているね?」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#破術争奪戦編

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※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0184

術士「じゃあ剣士と盗賊娘を呼んでくるよ。あの二人は魔法の知識はないが頭が切れる。絶対に役に立つ」
聖騎士女「頼めるか。敵が外を見張っている可能性が高い、魔法のエキスパートが動いてくれるのは助かる」
偽聖騎士「なるほど、彼が君のパーティの一員か。頼れそうだ」
術士「聖騎士女やまほクンみたいに天才じゃねえけどな。じゃあ行ってくる」
術士「出た瞬間かよ……<魔力遮断>!棘がデカくなる前に魔力を防げばおもちゃができるだけだな」
盗賊「ヒュー、やるねぇ。目はアレだな。ほらよ」
術士「盗賊、投げナイフは聖騎士女と同じくらい上手いな」
盗賊「あの天才に並ばせて貰えるなんて光栄だね」
術士「はっは。じゃあ適当にあしらいながら行くが、まほクン、分かるな?」
魔法使い「まほクンはやめて下さい……。分かりますよ。次は酒場の中に巨大な棘を生成しますよね」
術士「多分、な。方法は見せたぞ」
魔法使い「わかりました。お気を付けて」
術士「はっは。まあこういう時は一人の方がやりやすいからな」
魔法使い「方向は分かっているので、先に打ちましょう。<魔力遮断>!」

禁術娘「手慣れてるねェ……」
禁術複製「俺っちと考え方が一緒だねぃ。これは正面からやると危ないねぃ。本人が油断してなくてもひっくり返るねぃ」
魔法使い「慣れてなんかいないですよ。こんなの慣れない方がいい」
禁術複製「そりゃそうだねぃ」
魔術師「あ、あなたたち何者なんですか……?」
盗賊「それをまとめて話すために人を呼んでるんだ。ちょっと待ってくれ」
聖騎士女「大丈夫、今ここは恐らくこの地方で最も安全な場所だ」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
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