Post-0080

戦士「辺境の廃城を反乱者が根城にしてるって、この地方は呪われてんのかよ」
騎士「まあ、無礼にはなるが、この地方の領主は少々頼りなく見えるからな。少なくとも武人肌ではない」
魔法使い「でも領地運営は上手く行ってますし、わりとみんな暮らしやすいですよ」
盗賊「逆に言うと領民におもねって見えるんだろうな」
剣士「コホン、我がリーダーが聞いて困るような事は小声で言ってくれるか」
聖騎士女「聞かなかった事にする。人の口に戸は立てられない」
盗賊娘「今回は2パーティ連携だから、喧嘩しないでね……?」
僧侶「聖騎士女さんのパーティであれば安心して任せられます。我々は不要では?」
聖騎士女「謙遜するな。が、適材適所。盗賊娘、入り口の向こうには反乱者しかいないな?」
盗賊娘「はい。間違いないです」
盗賊「俺も見てきた。間違いない」
聖騎士女「ならば手加減は不要だな。下がっていてくれ」
(聖騎士女、城門に手を当てる)
聖騎士女「神よ!<衝撃>!」
(ヴゥン!)
聖騎士女「終わった。地下には届いていないから、そこを集中的に探索しよう」

魔法使い「こ、恐い……」
戦士「あんなの喰らったら骨バラバラだからな」


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※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

Post-0079

盗賊娘「聖騎士女さん、聖騎士女さんは聖騎士だから、<加護>を持っているんですよね?」
聖騎士女「当然、そうだ。<加護>を授からない者は聖騎士ではない」
盗賊娘「聖騎士女さんが<加護>を使っているところを見た事がない気がします」
聖騎士女「はは、気を使ってくれているのか。単に使う必要がないから使わない。見せびらかすものでもないからな」
盗賊娘「な、なるほど」
聖騎士女「私が誇っているのは、<加護>そのものではない。それを授かるに至った努力をこそ誇っている」
盗賊娘「……?」
聖騎士女「<加護>も技術も努力の上にしか成り立たない。それがどんなものであれ、それを得るに至った努力は誇ってよいと私は思う。盗賊娘の技術もそうだ」
盗賊娘「……!」
聖騎士女「得たものをどう使うか。そして使わない事も含め、それが授かるという事だと、私は思う」
盗賊娘「聖騎士女さん……!」
聖騎士女「それと、特別に教えてあげよう。私の<加護>は<衝撃>だ(いたずらっぽい笑みで)」


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Post-0078

盗賊「おい、関わるな」
騎士「貴様。ご婦人が座り込んで泣いているぞ。何をしている」
戦士「騎士様が行くなら俺は見てていいかな……。ん……?」
(戦士、座り込んでいる女性に近づく)
戦士「なるほど。それを仕舞えよ。俺と騎士でやる」
(言いながら女性が手に握っているナイフをもぎとる)
戦士「女が泣くのは騎士が守るよな。俺は握ったナイフになる。好きな方選べよ。俺はこのナイフを使う」


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Post-0077

盗賊「馬鹿野郎!行くなつったのに罠踏んだな!」
戦士「怒ってる場合じゃないだろ!追いつかれたら死ぬぞ!」
騎士「敵ならともかく、大岩はどうにもならん!」
僧侶「しかも一本道ですよ!いつか追いつかれます!」
魔法使い「皆さん先に行って!僕がやります!」
戦士「何ができるんだよ!?」
魔法使い「後ろ向きに魔法連発します。巻き込まれないで!」
盗賊「おうよ!」
魔法使い「<火球>!<火球>!<火球>!<火球>!そして<凍結>!」
戦士「岩が……割れた!?」
魔法使い「このサイズなら!<障壁>!さあ逃げ込んで!」

盗賊「お前何やったんだよ?」
魔法使い「えーと、熱い土鍋に水注ぐと割れますよね?」


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Post-0076

聖騎士女「みな、お疲れ。今回も上手く行ったな。今日は飲んでくれ」
他パーティ「かんぱーい!」
盗賊娘「思ったより収入になりましたね」
聖騎士女「盗賊娘が全ての罠を外してくれたおかげだ。今までなら手に入らないものまで手に入った。本当にありがとう」
盗賊娘「うふふ。みんなの役に立てて嬉しいです」
剣士「盗賊娘君は戦いも十分に強いしな」
盗賊娘「あ、ありがとう」
術士「前が一枚厚くなると安心して術が使える」
剣士「君を紹介してくれた戦士君には感謝にたえないな」
盗賊娘(無邪気な笑みを浮かべる)
聖騎士女「いい笑顔をする」
盗賊娘(赤面する)

(しばらく楽しく飲んでいる)
(酔っ払いが盗賊娘に近づく)

盗賊娘「(伸ばした手をひねり上げて)ごめんね、そういうの、嫌なんだ」
剣士「我らの団員に手を出すという事はそれなりに覚悟があるのだな?」
聖騎士女「私ではなく盗賊娘に手を出したという事は、酔っての狼藉ではないと判断するぞ」
酔っ払い「ひ、ひぃっ……」
術士「斬られる前に謝って逃げな」

盗賊娘「あの人達さ、めちゃくちゃいい人達なんだよ」
戦士「だろ。ちょっとお高いけどいい奴らだと思うよ」


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Post-0075

魔法使い「みなさん!やりました!僕、魔術学園でメンターに推薦されました!」
戦士「おー、すごいな。勉強しかできない根性無し」
騎士「ふん、お前みたいな男には学園がお似合いだ」
僧侶「良かったですね、向こうでも頑張って」
盗賊「もともとうちのパーティには向いてなかったからな」
魔法使い「無理しなくていいですよ。僕メンターになっても外で冒険しますからね。むしろ教室から予算でますよ」

全員「……」

戦士「そうだったのか。良かったなお前」
騎士「そうか。私はてっきり我々の存在が君の足を引っ張るかと」
僧侶「辛い言葉を言ってしまってすみません」
盗賊「お前が抜けると正直辛いんだよ」
魔法使い「これからもよろしくお願いしますね!」


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Post-0074

戦士「くっそ、コイツ確保して帰らないといけないのに大暴れしやがる!」
騎士「しかもなかなか腕がいい。生け捕りだと相当弱らせないと……」
僧侶「時間ないですよ」
盗賊「とりあえず向こうのドアを塞いでおくぞ。少し時間が稼げる」
魔法使い「あのー。ちょっと卑怯なんですが、簡単に片付けますか……?」
戦士「え?できるの?」
魔法使い「ええ。<浮遊>!ほらね、相手浮いたのでもう動けませんよ。袋かぶせましょう」
騎士「天才か」


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Post-0073

戦士「あのよ。騎士様は屋敷がある。盗賊は蓄えてて魔法使いは寮があるよな」
騎士「うむ……?」
戦士「なんで僧侶は無駄金使ってないのに装備が新しくならないんだ?」
盗賊「気がつかなくていい部分に気がついたな」
魔法使い「あはは、戦士さんだけ気づいてなかったんですね」
戦士「……?」
魔法使い「僧侶さんって子供に人気でしょ?」
戦士「あー、子供と遊んでる時によく囲まれてるの見るわ」
騎士「まあ本人も隠してないしな。彼は孤児院と神殿に献金してるんだよ」
戦士「あー、なるほど、そういう事か。人のために金使えるのすげえな」
僧侶「あなただって人のために力を使っているでしょう……?(ドアを開けて入ってくる)」


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Post-0072

魔法使い「どうすれば僕も根性ある男になれるんですかねー」
戦士「お前は十分根性あるって」
魔法使い「全然足りないですよ。痛いの恐いし、恐いの嫌だし」
戦士「本当にお前は頭いいのに馬鹿だよな」
魔法使い「まあ根性無しではあります」
戦士「ちげーよ馬鹿なんだよ。いいか、痛くなかったらそもそも根性いらねーだろ」
魔法使い「それは、まあ、確かに。痛くないですからね」
戦士「同じく、恐くなければ立ち向かうのに根性いらねーだろ」
魔法使い「あ……!」
戦士「俺だって痛いし痛いのも嫌だよ。それをこらえて前に出るから根性なんだろうが」
魔法使い「なるほど!僕も頑張ってそうします!」
戦士「アホ!お前はもうできてるんだよ!少しは自分をちゃんと見ろ!」


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Post-0071

魔法使い「戦士さん、あの聖騎士女さんとはどこで知り合ったんですか?」
戦士「あー、何回か絡みがあったんだけどな。最初のでいいか?」
魔法使い「ぜひ」
戦士「俺は当時傭兵でさ。町の警備をしてたんだが、町で辻斬りが起きてな」
魔法使い「嫌な事件ですね……」
戦士「ああ。でさ、神殿領だったから聖堂騎士様が捜査に来てな。当然俺ら傭兵が疑われるんだよ」
魔法使い「まあ、辻斬りできる以上剣を使えるわけですしね」
戦士「俺らまとめてしょっ引かれてさ。『これで辻斬りが終わればお前らが犯人だ』だとさ」
魔法使い「終わるに決まってますよね。濡れ衣着せられるんですから」
戦士「そこで割って入ってきたのが聖騎士女だよ。『自らの潔白を示してから人を疑え』ってな」
魔法使い「うわー格好いい」
戦士「しかもよ、犯人聖堂騎士だったんだよ。それを一撃で切り伏せた」
魔法使い「はー。でも戦士さんいいところナシですね」
戦士「いや。その時にさ、目を伏せてる奴がいたんだよ。釈放されてから殴りに行った」
魔法使い「戦士さんらしいですね」
戦士「その先にまた聖騎士女がいてさ。『君は見る目があるな』ってよ。そこからある意味腐れ縁だよな」
魔法使い「へぇー」


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