Post-0176

シスター「ようこそお越しになりました。神は懺悔をお聞きになります」
元人買い「すみません、戦士殿に言われて伺いました。懺悔室ではなくシスターに話をせよと」
シスター「私で良ければ伺います。子供達、少し別室に行きますね。では、こちらへ」
元人買い「ありがとうございます」

シスター「では、詳しくお話を伺いましょう」
元人買い「はい、実は、私は元々人買いをしていましたが今は引退しております」
シスター「まずは全て伺いますね」
元人買い「ですが自分の娘が貴族に狙われ 〜〜 騎士様のパーティに助けを乞うたのです 〜〜 そして引退して今ここにいます」
シスター「なるほど。では……お覚悟はなされていますね?」
元人買い「お覚悟……?」
猟犬女「人の子供をさらって売っておいて、自分の子供が狙われた時にはうろたえて助けを求める。いい覚悟だな?さらわれた子供の親には助けがなかった。お前は子供を売った金があったから依頼できた。それで、自分の子供だけ助けて引退。いい人気取りか?」
元人買い「え……え……?」
猟犬女「あいつらが助けたのはお前ではなくお前の子供だ。お前は救われていないし許しを得る資格すらない」
元人買い「で、でも引退しました……」
猟犬女「いいか。人殺しはなっちまったら取り返せない。殺したかどうかで言えばもう殺してるんだ。人を売ったのも一緒だ。取り返せないし、売ったかどうかでいえば売ったんだ。それはもう拭えない」
元人買い「そ、そうかもしれませんが……」
猟犬女「ははッ、悪事は手を染めて足を洗う。が、足を洗ったってお前の手は真っ赤なままだ。逃れられない選択だ。だから今のお前に与える許しは、ない」
元人買い「ない……」
猟犬女「まず、お前は、自分が売ってきた子供が、何を考え、何を思い、何を枷にして生きているかを知って貰う必要がある」
元人買い「知る必要……?」
猟犬女「あたしらが殺してきた、お前が売ってきた人間が、実はお前を同じ考えて、感じて、動く存在だって事を、まず理解しろ。その先についてはそこからしか始まらない」
元人買い「……もしかしてシスターは」
猟犬女「あたしの事はどうでもいい。まずお前は5年ウチで下働きをしろ。5年で理解できなかったらお前の人生はそこまでだ。5年以内に理解できれば、その時はその先を教えてやるよ」
元人買い「は……はい……」
猟犬女「残念だったな、優しいシスターじゃなくて」
元人買い「……」
猟犬女「勘違いするな。しばらく子供には一人で近づけない。まず掃除と炊事だ」

シスター「みなさんお待たせしました。この下働きさんが明日からみなさんのお世話を手伝ってくれるそうですよ」
子供ら「わー!よろしくー!」
下働き「よ、よろしくお願いします」
シスター「じゃあ、そろそろご飯の用意をしますね。今日は寒いからシチューにしましょうね」

#ズレよし
#ちょっとズレてるお人好しども
#日常編

追って加筆修正し、以下まとめサイトに掲載します!
https://t.co/4qDFo5YkPa


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※収録に当たって多少手直ししているものがあります。

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